研究課題
「SjSモデルマウスに対するNF-kB抑制剤Bortezomibの治療効果の検討」を行なった。その結果、マウスの腹腔内に生後3週間後、4週後、6週後、8週後、10週後から週5回の割合でBortezomibの投与を行なったところ、投与の開始が早い程唾液腺(顎下腺、耳下腺)組織における腺房構造破壊の程度が軽減されていることが明らかとなった。また、リンパ球浸潤の程度も軽減していた。以上より、26Sプロテアソーム阻害剤であるBortezomibはSjSモデルマウスにおいて、腺房構造の破壊阻止に有効な治療薬となる可能性が示唆された。「HDACインヒビターによる培養腺房細胞株およびSjSモデルマウス腺房細胞でのAQP5発現増強効果」の検討を行なった。その結果、培養腺房細胞株(NS-SV-AC)を各種HDACインヒビター(SAHA、VPA、TSA)にて処理することにより、Real-time PCRにてAQP5 mRNAの発現増強が認められた。さらに、Western blottingでの解析によりAQP5蛋白の発現増強が確認された。間接蛍光抗体法にてAQP5の局在を確認したところ、細胞膜にその局在が認められた。TNF-aによるAQP5遺伝子プロモーター領域におけるアセチル化ヒストンH3とH4をChromatin immunoprepicitation法により解析したところ、ヒストンH4の脱アセチル化が確認された。TNF-aとHDACインヒビターにて細胞株を処理することにより、ヒストンH4の脱アセチル化は阻止された。以上より、HDACインヒビターはTNF-aによるAQP5遺伝子プロモーター領域におけるヒストンH4の脱アセチル化を阻止することにより、腺房細胞におけるAQP5発現の増強に繋がることが明らかとなった。
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