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2018 年度 実施状況報告書

骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の免疫機能解析と予防治療法の展開

研究課題

研究課題/領域番号 17K11844
研究機関九州大学

研究代表者

梯 裕恵  九州大学, 歯学研究院, 助教 (30452775)

研究分担者 黒嶋 伸一郎  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (40443915)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード骨吸収抑制薬 / 顎骨壊死 / 骨粗鬆症 / 免疫機能解析 / 予防治療法
研究実績の概要

テーマは「骨吸収抑制薬関連顎骨壊死(MRONJ/BRONJ)の免疫機能解析と予防治療法の展開」であり、基礎研究と臨床研究の二本柱で進めている。まず、免疫機能解析に関しては、以下の結果が得られている。
1)ビスフォスフォネート製剤と抗癌剤を併用した高頻度発現型マウスBRONJモデルを開発。2)高頻度発現型マウスBRONJモデルに非培養Stromal vascular fraction細胞を移植すると、BRONJが緩解することが解明された。3)血管新生抑制は、BRONJの主原因とはならないことを証明した。
また、MRONJに対する治療法は、病期分類に基づいた治療方針が示されてはいるものの、いまだ一定の見解はなく、近年は積極的な外科的治療を推奨する傾向にある。しかし、腐骨の分離が確実に得られるのであれば外科的治療の必要はなく、さらに、MRONJ 患者は癌の多発骨転移や、ステロイドの長期投与などで全身状態が好ましくなかったり、患者自身が侵襲の高い治療法を望まないことも多い。臨床研究として我々は、低侵襲な保存的外科治療を行っている。壊死骨周囲の歯肉切除や、露出壊死骨の可及的な削除による減量で洗浄を行いやすい形態にし、含嗽でも十分な洗浄効果が得られるように管理し、腐骨分離を促す低侵襲な治療である。壊死骨や腐骨の動揺が見られたり、画像所見で腐骨の分離が確認できたら、非病変部である周囲の骨や軟組織は掻爬せずに腐骨除去のみを行う。これを繰り返すことで残存骨は粘膜上皮に被覆され、周囲の骨を掻爬することなく治癒することが期待できる。本治療法は局所麻酔下に行うことができ、全身麻酔の設備がない施設や、歯科医院でも可能な処置である。治療成績としては、全体の約9割が良好に経過しており、治癒症例の約6割が1年以内に治癒していた。両側に及ぶ症例や大きな腐骨を除去した症例、病的骨折を起こした症例にも有用であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

論文発表の準備が遅れている。

今後の研究の推進方策

高頻度発現型マウスBRONJモデルを用いて、さらなるONJ発現に関する要因を明らかにしていく。
臨床研究では、骨吸収抑制薬の休薬の意義に関しての臨床統計、新たな基準を確立していく。

次年度使用額が生じた理由

実験の進捗状況により、使用機材が少なかったため。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 骨吸収抑制薬関連顎骨壊死に対する医科歯科連携の重要性2019

    • 著者名/発表者名
      梯 裕恵
    • 学会等名
      医科歯科連携を目指す会 in 曽於
    • 招待講演
  • [学会発表] 骨吸収抑制薬関連顎骨壊死 に対する 非侵襲的治療2018

    • 著者名/発表者名
      梯 裕恵、神野哲平、林田淳之介、中村誠司
    • 学会等名
      第15回 日本口腔ケア学会総会・学術大会
  • [学会発表] 骨吸収抑制薬投与中の骨粗鬆患者の抜歯における臨床統計学的検討~ARONJ 発症症例の後ろ向き検討~2018

    • 著者名/発表者名
      梯 裕恵、林田淳之介、中村誠司
    • 学会等名
      第72回NPO法人日本口腔科学会学術集会
  • [学会発表] ARONJ 非侵襲的治療の成功の秘訣2018

    • 著者名/発表者名
      梯 裕恵
    • 学会等名
      第62回 日本口腔外科学会総会・学術大会
  • [学会発表] 骨吸収抑制薬関連顎骨壊死に対する非侵襲的治療と医科歯科連携の重要性2018

    • 著者名/発表者名
      梯 裕恵
    • 学会等名
      第4回 兵庫ロコモと骨粗鬆症を語る会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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