研究課題/領域番号 |
17K11852
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
山崎 安晴 北里大学, 医学部, 講師 (00210401)
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研究分担者 |
杉本 孝之 北里大学, 医学部, 講師 (20365133)
馬場 香子 北里大学, 医学部, 講師 (90327411)
杉本 佳香 北里大学, 医学部, 助教 (90775941)
森山 和の 北里大学, 医学部, 助教 (40803515)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 未分化間葉系細胞 / 再生医工学 / エクソソーム / 神経堤由来細胞 |
研究実績の概要 |
1)発生母地の異なる骨組織由来の間葉系細胞(hMC)の分子生物学的特性とその多分化能を精査(前年度からの継続):①腸骨と上顎骨と下顎骨のそれぞれ由来hMCを用いた網羅的遺伝子発現解析(RNAseq)結果は現在投稿中である。②腸骨、上顎骨、下顎骨、歯槽骨由来のそれぞれhMCを用いて骨分化、脂肪分化、軟骨分化、神経分化の多分化能をIn vitroで定性・定量を行った。その結果、骨分化の強さの順に腸骨由来、下顎骨由来、上顎骨由来、歯槽骨由来となり、脂肪分化の強さは腸骨由来のみ優位に高く、下顎骨由来、上顎骨由来は極めて低く、歯槽骨は殆ど認められなかった。また軟骨分化は腸骨由来、歯槽骨由来の順で高く、下顎骨由来、上顎骨由来では低かった。さらに神経分化は各hMC由来細胞による差異は明らかでなかった。 2)ヒト腸骨由来間葉系細胞培養上清のエクソソーム精製法:免疫学的捕捉法で行い、骨誘導上清中から経時的に抽出されたエクソソームをhMCの培養上清に添加した。その結果、エクソソームが抽出された時期によりそのhMC動態が変化することがわかった。 3)20年間の長期凍結保存が間葉系細胞に与える影響:間葉系細胞は凍結保存することにより死細胞が経年的に増加すること、さらに凍結保存処置自体が老化増殖因子であるSA-β galの経時的蓄積をもたらすことがわかった。しかしhMCの生存細胞はその増殖曲線の差は認めず、20年間の長期凍結保存においても生存hMCに骨形成能を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調に研究が進捗している。しかし、骨誘導上清中から経時的に抽出されたエクソソームを間葉系細胞の培養上清に添加した場合、エクソソームが抽出された時期によりその間葉系細胞動態が変化することがわかった。また間葉系細胞は凍結保存することにより死細胞が経年的に増加すること、さらに凍結保存処置自体が老化増殖因子であるSA-β galの経時的蓄積をもたらすことがわかった。このようなin vitroの基礎データ確認のため当初の目的であるin vivoの研究には移行できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
培養上清中のエクソソーム経時的変化、凍結保存による間葉系細胞のダメージ等が前年度の研究により類推できるので、今年度は至適条件下での間葉系細胞や抽出エクソソームによるin vivo研究を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度予定していたin vivoの研究を次年度に繰り越しとしたため。
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