研究課題/領域番号 |
17K11853
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
角田 和之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (60265915)
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研究分担者 |
中川 種昭 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (00227745)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 自己免疫疾患 / 自己免疫性水疱症 / 口腔粘膜疾患 / 自己抗体 / 水疱症 |
研究実績の概要 |
昨年度までに実施した、新生仔マウス(Dsg3+/+)への血清の受動免疫法および、直接蛍光抗体法による、マウス皮膚での自己抗体沈着確認の結果をもとに、本年度は、ELISA 法によるPNP 患者血清中の抗Dsg1 および抗Dsg3 自己抗体価の測定を実施した。PNP 患者血清は全例が抗Dsg3 抗体を有し、1/2 の症例が抗Dsg1 抗体を有するとされる。そこでDsg 組み換え蛋白を抗原として用いたELISA 法にてPNP 血清中抗Dsg1 抗体および抗Dsg3 抗体の抗体価を確認した。この段階で血清を選別することにより、dissociation assay に使用するマウスの遺伝背景を決定する事を可能にする。これら抗体活性の測定を実施した患者血清を用いて、in vitro dissociation assay によるPNP 患者血清中の抗Dsg1 および抗Dsg3 抗体病原性解析を行った。抗Dsg3 抗体のみを有するPNP 血清ではDsg3-/-マウスを用い、抗Dsg1 とDsg3 の両方の抗体を有する血清では、Dsg3-/-およびDsg3+/+マウスを用いてdissociation assay を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の全体的な進捗状況としては、症例数などにおいて若干の遅延を生じている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度には、本年度で得られた結果をもとに、PNP 患者血清中のepitope mappingを行う予定である。これまでにわれわれが開発した、Dsg3細胞外領域上の異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体(AK mAb)を用いて、PNP 血清中の自己抗体のエピトープを解析する。PNP 患者血清とAK mAb を用いた競合ELISAを行い、患者血清中抗Dsg3 抗体の優位なエピトープを解析することで、臨床表現型と抗体病原性の相関関係解析の足ががりとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定よりも消耗品などの使用が抑えられた事による。 次年度以降も成果発表(学会報告)や研究遂行に伴う消耗品などへの充当を予定している。
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