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2017 年度 実施状況報告書

歯髄幹細胞により作製した3次元細胞組織体による次世代型再生医療技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K11861
研究機関鶴見大学

研究代表者

舘原 誠晃  鶴見大学, 歯学部, 講師 (90380089)

研究分担者 井出 信次  鶴見大学, 歯学部, 助教 (00611998)
梅木 泰親  鶴見大学, 歯学部, 助教 (10552408)
里村 一人  鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード再生医療 / 細胞治療 / 歯髄幹細胞
研究実績の概要

本研究は、歯髄幹細胞により血管構造を有する足場材料を使用しない(scaffold free)3次元細胞組織体(3D tissue construct)による再生医療技術基盤を構築することを目的としている。ヒト歯髄幹細胞より様々な細胞種の細胞塊(spheroid)を作製し、このspheroidを3次元に積層することで最も組織に類似した3D tissue constructを作製する予定である。
本年度では、3D tissue constructのもととなる歯髄幹細胞を抜去歯の歯髄組織から分離・培養し、その特性について確認した。研究の趣旨を説明し、同意頂けた健康な患者より智歯抜歯後に医療廃棄となる抜去歯より歯髄組織を採取し、酵素処理法(コラゲナーゼとディスパーゼ)にて細胞を分離・培養した。分離した細胞をフローサイトメトリーにて間葉系幹細胞のマーカー陽性、一方、造血系幹細胞マーカー陰性であることを確認し、分離した細胞が間葉系幹細胞(歯髄幹細胞)であることを証明した。
次に3D tissue constructの基礎となるspheroidを歯髄幹細胞にて作製した。培養皿にて歯髄幹細胞を3週間培養し、細胞シートを作製した。この細胞シートを基礎培地、骨誘導培地、軟骨誘導培地、血管内皮細胞誘導培地にて10日間浮遊培養することにより各spheroidの作製に成功した。各spheroidを組織学的に検討したところ、骨誘導培地にて培養したspheroid内では石灰化基質が形成され、軟骨誘導培地にて培養したものでは軟骨基質形成が形成されているのを確認した。
さらに予備実験として、基礎培地と骨誘導培地にて培養したspheroidを注射針に数珠状に繋ぎさらに培養を行ったところ、管状構造を有するconstructの作製に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

歯髄幹細胞により血管構造を有するscaffold freeの3D tissue constructによる再生医療技術基盤を構築することを目的としている。本年度では、3Dconstructの基礎となるspheroidの作製が主であったが、これまで行ってきた研究方法を参考にすることにより、比較的順調に研究を遂行することが可能であった。

今後の研究の推進方策

現在までに各spheroidの作製と管状構造を有するconstructの作製に成功している。これらの結果を基に 各spheroidを3次元に積層することにより約1 cm3大の3D tissue constructを作製する予定である。まず初めに骨組織に類似した3D tissue constructの作製を試みる。その際、3D tissue constructの作製において最適な培養条件(培養期間、培養方法、spheroidの配列など)について詳細に検討する。さらに作製した3D tissue constructを組織学的に検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度の研究は、以前から行ってきた研究方法が基盤となっているため、当初の計画より円滑に研究が進み、使用予定額を利用せずに済んだ。
次年度では、新たな研究技術を検索するために必要な研究試薬(主に培養液、細胞誘導因子)、備品(特殊な培養皿、培養関連器具)が必要であり、また本年度に得られた研究成果を学会にて発表する予定であるためその旅費などに予定した使用額を利用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 骨再生におけるヒト歯髄幹細胞を用いた3次元細胞組織体の作製2017

    • 著者名/発表者名
      福島龍洋, 舘原誠晃, 竹部祐生亮, 井出信次, 戸田麗子, 里村一人
    • 学会等名
      第71回NPO法人日本口腔科学会学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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