研究課題
現在までの口唇口蓋裂に対する解析は、白血球由来のDNAを使用した連鎖解析、関連解析が行われてきた。またエクソーム解析では、次世代シークエンサーによる遺伝子変異探索が行われたが、発見された遺伝子変異は患者総数の約5%程度のみであった。そして、いずれの研究においても遺伝力および家系解析を中心としたHeritabilityを基準としており、体細胞モザイクは全く考慮されていない。今回は口唇裂部の組織特異的な体細胞モザイクによるものであるとの仮説を検証した。通常のエクソーム解析では1検体あたり約400個以上の遺伝子変異が検出されるが、本研究では血液中の白血球由来DNAと手術で除去された口唇部上皮組織からなる同一個人20組のDNAを比較した。Target領域の平均読み深度は組織で152.8であり血液では158.5であった。またカバレッジは両方サンプル群ともに99.8%であった。イルミナ社の推奨するクオリティコントロール後のデータの有効性は血液サンプルで98.6%であり組織サンプルでは98.5%であった。各サンプルのリードは全てペアワイズであり、合計2回ずつシークエンスを行なってさらにデータのクオリティを確保している。結果として各サンプル平均SNP数 は436789.8個でありサンプル平均INDEL数は 71265.15個であった。現在さらに詳しく解析中である。
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Human Molecular Genetics
巻: 29 ページ: 845~858
10.1093/hmg/ddaa002