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2019 年度 実施状況報告書

顎骨再生における頬脂肪由来脱分化脂肪細胞・PRP複合体のトランスレーショナル研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K11864
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

窪 寛仁  大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70388362)

研究分担者 橋本 典也  大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20228430)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード脱分化脂肪細胞
研究実績の概要

脱分化脂肪細胞(dedifferentiated fat cells:DFATs)は低侵襲に獲得可能な細胞集団であり,また多能性を有することから再生医療用ドナー細胞として有用である。またDFATsは非常に純度が高いことから,含まれる未分化な細胞の割合が高く,様々な組織の細胞へ分化する能力が高い可能性が示唆されている。顎口腔領域を専門とする歯科医師の特性を活かすため、頬脂肪体からDFATsを獲得し,ドナー細胞として用いる。ゲノム変異性安全性試験で安全性を確認したうえで、自己多血小板血漿(PRP)と複合化し、培養骨を作製する。最終的に、DFATs自家移植モデル(イヌ)によるトランスレーショナルリサーチを行い早期臨床に繋げるのが本研究の目的である。
ラット鼠径部から脂肪組織を採取してDFATを作製し,さらに同ラットから採血してPRPを作製し,全血とPRPの血球数と血小板数を測定した。次に, PRP添加培地(3%,5% 7%,10%:各質量%濃度)でDFATを培養し,WST-8で細胞の増殖率を測定した。さらに,①通常培地,②骨分化培地,③骨分化培地(FBS無添加)+PRP(3%,5%,7%,10%:各質量%濃度)でDFATを培養し,誘導開始後3,7,21日でAlizarin red染色によるCa産生能の評価とreal time RT-PCRによる骨芽細胞マーカーの遺伝子発現とを評価した。
PRP添加によって細胞の増殖率は著明に上昇した。また,誘導開始後21日のAlizarin red染色の検索では何れの条件も陽性だったが,骨分化培地と骨分化培地+PRPの条件とでは骨芽細胞マーカーの上昇に差があり、PRPの濃度によってマーカーの発現時期に差が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

骨分化培地にPRPを添加した群の方が、細胞の増殖率は著明に上昇し、早期に骨芽細胞マーカーの遺伝子発現が認められることが判明した。また,PRPには至適濃度があることが確認できたため。

今後の研究の推進方策

ラット頭蓋冠欠損モデルを作製し、すでに細胞をゼラチンスポンジを足場として移植しており、X線学的評価と病理組織学的評価を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

動物実験に使用する費用が少なかったため。
ラット頭蓋冠欠損モデルを作製し、すでに細胞をゼラチンスポンジを足場として移植しており、病理組織学的評価の標本作製費に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Comparison of the characteristics of mesenchymal stem-like cells derived by integration-free induced pluripotent stem cells in different single-cell culture media under feeder-free conditions2019

    • 著者名/発表者名
      Ueda, M., Hashimoto, Y., Honda, Y., Baba, S., Morita, S.
    • 雑誌名

      Medical Molecular Morphology

      巻: 52 ページ: 147-155

    • DOI

      https://doi.org/10.1007/s00795-018-0211-1

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 多血小板血漿(PRP)が脱分化脂肪細胞(DFAT)の増殖能と分化能に及ぼす影響2019

    • 著者名/発表者名
      中野宏祐,上田 衛,窪 寛仁 ,疋田光波,妻野誠仁,藤井智子 ,本橋具和
    • 学会等名
      第64回(公社)日本口腔外科学会総会・学術大会

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公開日: 2021-01-27  

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