研究課題
ゲノム異常は、正常組織においても蓄積しており、その蓄積ががん化のリスクと関わっている可能性がある。しかし、正常組織における突然変異の頻度は非常に低く、これまで、正確な測定が不可能であった。次世代シークエンサーの登場により、高深度な解析は容易になったが、低頻度の変異を解析するには、シークエンシング時のエラーとの区別が必要であり困難であった。連携研究者の国立がん研究センター研究所の牛島博士と山下博士は、稀少な突然変異の測定を可能にした(特願2015-199342)。本研究は、その新規突然変異解析法を用いて非がん口腔粘膜に蓄積する口腔がんリスクを反映する稀少突然変異を探索・同定することを目的として行っている。 口腔がん患者の非がん部(高リスク)口腔粘膜、および、タバコなどの発がん因子に曝露歴のある非がん患者の口腔粘膜(中リスク)、曝露歴のない非がん患者の口腔粘膜(低リスク)の組織サンプルの採取を行っている。健常人の口腔粘膜(低および中リスク)に関しては、口腔がんや口腔前がん病変以外の疾患で東京大学医学部附属病院口腔顎顔面外科・矯正歯科を受診した患者のうち、同意が得られた者から、頬粘膜の細胞を擦過することにより採取を行っている。口腔がん患者の非がん部粘膜は、口腔がんの手術と同時に採取を行っている。健常人の口腔粘膜(低および中リスク)に関しては、同意取得が困難な場合もあるが、口腔がん患者の非がん部粘膜は、手術とともに順調に採取できている。
2: おおむね順調に進展している
健常人の口腔粘膜(低および中リスク)に関しては、同意取得が困難な場合もあるが、おおむね順調に採取できている。口腔がん患者の非がん部粘膜は、同意取得が比較的容易で有り、手術とともに順調に採取できている。
引き続き、口腔がん患者の非がん部(高リスク)口腔粘膜、および、タバコなどの発がん因子に曝露歴のある非がん患者の口腔粘膜(中リスク)、曝露歴のない非がん患者の口腔粘膜(低リスク)の組織サンプルの採取を行う。サンプルが集まり次第、新規突然変異解析法を用いて変異解析を行う
理由:希少突然変異解析を行う実験費用および論文掲載費用を残したため。使用計画:論文掲載料。実験費用に用いる。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 6件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
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