研究実績の概要 |
臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞株の解析は順調に進んでいるKON細胞、SAS細胞における、1Gyおよび2Gy耐性細胞の維持を行いながら、コロニー形成法、growth assayでの放射線耐性の確認を随時行っていが、三次元培養系を用いての悪性度の変化は確認は行えていない。 臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞株において親株と比較し細胞形態が紡錘形へと変化しており、長軸の計測値において有意差を認めていた。このことから上皮間葉転換が誘導されている可能性が有るため、上皮間葉転換のマーカーとなる蛋白質(Vimentine, E-Cadherin, N-Canherin, β-Catenin, Snail, Slug, ZEB1, Claudin-1, ZO-1)の発現をイムノブロット法で検討を行っている。 臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞株における耐性の維持期間についても検討中であり、現在のところ照射休止後1か月の時点での耐性維持まで確認出来ているため、今後3か月、6か月、12か月でも確認予定としている。 KON細胞、SAS細胞において臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞細胞株のプロテオーム解析を行い、親株と比較し2倍以上、1/2以下の変動を認めたスポットを21個認めており、上昇したものが8スポット、低下したものが13スポットであった。現在これらのスポットの切り出しを行い、TOF-MS解析を進めており、変動したタンパク質を同定する予定である。 臨床的放射線耐口腔扁平上皮癌細胞性株のメタボローム解析は現在進行中である。
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