研究実績の概要 |
臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞株の解析は順調に進んでいるKON細胞、SAS細胞における、1Gyおよび2Gy耐性細胞の維持を行いながら、コロニー形成法、growth assayでの放射線耐性の確認を随時行ってる。 増殖能は親株と比較して落ちているものの、連日の1Gy、2Gy照射下でも安定した細胞増殖が得られている。 臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞株において親株と比較し細胞形態が紡錘形へと変化しており、長軸の計測値において有意差を認めていた。このことから上皮間葉転換が誘導されている可能性が有るため、上皮間葉転換のマーカーとなる蛋白質(Vimentine, E-Cadherin, N-Canherin, β-Catenin, Snail, Slug,ZEB1, Claudin-1, ZO-1)の発現をイムノブロット法で検討を行った。 その結果Vimentine,N-Canherinの発現上昇,E-Cadherin,β-Cateninの発現低下が認められ、上皮間葉転換が誘導されていると考えられた。 KON細胞、SAS細胞において臨床的放射線耐性口腔扁平上皮癌細胞細胞株のプロテオーム解析を行い、親株と比較し2倍以上、1/2以下の変動を認めたスポットを21個認めており、上昇したものが8スポット、低下したものが13スポットであった。現在これらのスポットの切り出しを行い、TOF-MS解析を進めており、現在までに解析出来た蛋白質は上昇したものがPyruvate Kinase,Vimentin,Cofilin,低下したものはHeat shock 70 kDa protein,Fascinであった。 臨床的放射線耐口腔扁平上皮癌細胞性株のメタボローム解析は現在進行中である。
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