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2017 年度 実施状況報告書

SPARC(オステオネクチン)と悪性腫瘍の再発との関係

研究課題

研究課題/領域番号 17K11885
研究機関奥羽大学

研究代表者

鈴木 厚子  奥羽大学, 歯学部, 講師 (90405986)

研究分担者 前田 豊信  奥羽大学, 歯学部, 准教授 (10382756)
高田 訓  奥羽大学, 歯学部, 教授 (40254875)
加藤 靖正  奥羽大学, 歯学部, 教授 (50214408)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードSPARC
研究実績の概要

(1)がん幹細胞の増減にSPARCが及ぼす影響の解明 ⅰ)がん幹細胞増加におけるSPARCの影響について扁平上皮癌、悪性黒色腫、骨肉腫、マウス扁平上皮癌などの細胞株に、ゲノム編集によりSPARCノックアウト株とテトラサイクリン誘導発現(Tet-on)株の樹立にやや遅れが生じたためそれ以降の予定に遅延が生じている、樹立できた細胞については、低酸素及び、酸化ストレス条件下での長期培養を行っている。ヌ-ドマウスを用いての皮下移植で造腫瘍性を評価する項目については、移植後の時間経過が予定より長くなっているため、今後も経過観察をつづける ⅱ)がん幹細胞の分化におけるSPARCの影響については、上記の細胞集団をドキシサイクリン(Dox)によってSPARC発現を誘導させる、またはGFP-SPARCを添加することによるがん幹細胞の減少が起こるかを現在解析中である。
(2)SPARC発現が、栄養嗜好に与える影響の解析 糖代謝の実態の解析についてエネルギ-代謝におけるミトコンドリア依存度にSPARCが寄与するか否かを検証中であり、また、培地中の糖・アミノ酸欠乏状態から、グルコ-ス(2-NBDG)の添加による糖の取り込みの評価について現在進行中である。その後、アセチルCoA量・α-ケトグルタル酸・イソクエン酸量の蛍光測定、グルタミン・シスチン・アルギニンなどの添加培養後の残存アミノ酸量を測定し、ミトコンドリア依存度を評価する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

がん幹細胞増加におけるSPARCの影響について扁平上皮癌、悪性黒色腫、骨肉腫、マウス扁平上皮癌などの細胞株に、ゲノム編集によりSPARCノックアウト株とテトラサイクリン誘導発現(Tet-on)株の樹立に遅れが生じた。それらの影響で、計画の一部に予定より遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

(1)がん幹細胞の増減にSPARCが及ぼす影響の解明につては、扁平上皮癌、悪性黒色腫、骨肉腫、マウス扁平上皮癌などの細胞株に、ゲノム編集によりSPARCノックアウト株とテトラサイクリン誘導発現(Tet-on)株の樹立については、対称を絞り込み、安定した細胞株を選択する。平成29年度計画の一部であるヌ-ドマウスの皮下移植については、再発に関わるがん幹細胞の性質から、平成30年度以降の評価が必要となる。ここで得られた試料を用いて免疫組織的解析を行う。また、ここから得られた結果をもとに、分担研究者(加藤)が作成したSPARCノックアウトマウス(C57BL/6由来)への同種間移植実験で、造腫瘍性を評価する。
(2)SPARC発現が、栄養嗜好に与える影響の解析では、ⅰ)SPARCが、mTORに及ぼす影響は、平成29年度計画(2)から得られた結果からSPARCが、アミノ酸トランスポ-タ-下流シグナルであるmTORC1の活性化を起こしているかについて解析を行う。エネルギ-代謝の変化がmTORを介した細胞分裂制御につながるのかが解明される。 ⅱ)高血糖下でのSPARCの影響の解析では、平成29年度計画(1)で樹立した細胞を、C57BL/6由来のob/ob、db/dbマウスに移植することで、造腫瘍性とともにがん幹細胞分化における血糖、またleptinとSPARCの影響を総合的に解析する。

次年度使用額が生じた理由

がん幹細胞増加におけるSPARCの影響についてヒト扁平上皮癌、悪性黒色腫、骨肉腫、マウス扁平上皮癌などの細胞株に、ゲノム編集によりSPARCノックアウト株とテトラサイクリン誘導発現(Tet-on)株の樹立に時間がかかり、その後の予定していた実験に影響が出てしまい、実験の遅れがそのまま使用額の減少につながった。本年度は、予定していた実験に追いつく様に研究を進める。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Cancer metabolism: New insights into classic characteristics2018

    • 著者名/発表者名
      Kato Yasumasa、Maeda Toyonobu、Suzuki Atsuko、Baba Yuh
    • 雑誌名

      Japanese Dental Science Review

      巻: 54 ページ: 8~21

    • DOI

      10.1016/j.jdsr.2017.08.003

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] TRPM5 mediates acidic extracellular pH signaling and TRPM5 inhibition reduces spontaneous metastasis in mouse B16-BL6 melanoma cells2017

    • 著者名/発表者名
      Maeda Toyonobu、Suzuki Atsuko、Koga Kaori、Miyamoto Chihiro、Maehata Yojiro、Ozawa Shigeyuki、 Hata Ryu-Ichiro、Nagashima Yoji、Nabeshima Kazuki、Miyazaki Kaoru、Kato Yasumasa
    • 雑誌名

      Oncotarget

      巻: 8 ページ: 78312-78326

    • DOI

      10.18632/oncotarget.20826

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Concentrated Growth Factorsによる骨代謝能への影響2017

    • 著者名/発表者名
      角田隆太,前田豊信,鈴木厚子,櫻井裕子,遊佐淳子,加藤靖正
    • 学会等名
      第59回歯科基礎医学会
  • [学会発表] マウスB16 メラノーマ細胞では,酸性細胞外pHによって誘導されるMMP-9 mRNA の発現は,PLD1を介す2017

    • 著者名/発表者名
      前田豊信,鈴木厚子,加藤靖正
    • 学会等名
      第59回歯科基礎医学会
  • [学会発表] 酸性細胞外pHシグナルを標的とした癌転移抑制の試み2017

    • 著者名/発表者名
      前田豊信,鈴木厚子,加藤靖正
    • 学会等名
      2017年度生命科学系学会合同年次大会
  • [学会発表] SPARCはAP-1活性を抑制して,骨形成を誘導する。2017

    • 著者名/発表者名
      前田豊信,鈴木厚子,加藤靖正
    • 学会等名
      第26回日本がん転移学会

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公開日: 2018-12-17  

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