研究課題/領域番号 |
17K11896
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
福田 雅幸 秋田大学, 医学部附属病院, 准教授(病院教授) (20272049)
|
研究分担者 |
高野 裕史 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (30282172)
山本 修 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (00230540)
遊佐 和之 山形大学, 医学部, 助教 (80636960)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 顎骨再生 / 亜鉛 / チタン / 歯髄幹細胞 |
研究実績の概要 |
(平成29年度→平成30年度の研究実施計画) 1. 亜鉛徐放型チタン系(Zn-Ti)フレームワークの作製と歯髄幹細胞の挙動評価 4)骨芽細胞分化能の評価:①Zn-Tiフレームワークおよびコントロール(Ti)上で培養した歯髄幹細胞に関して、培養3日目および7日目のアルカリフォスファターゼ活性を測定した。②骨芽細胞分化マーカーのmRNA発現をreal-time PCR法で測定した。③培養48時間後のSmad1、Smad4、p-Smad1/5/8 のタンパク発現をウエスタンブロットで検索した。④培養10日目、21日目における基質石灰化をアリザリンレッドS染色で評価した。 平成30年度の研究結果 1. 亜鉛徐放型チタン系(Zn-Ti)フレームワークの作製と歯髄幹細胞の挙動評価 4)骨芽細胞分化能の評価:①Zn-Ti上で培養した歯髄幹細胞は、Controlと比較して培養3日目および7日目ともに有意なアルカリフォスファターゼ活性の増強を認めた。②培養3日目および7日目のreal time PCRでは、Zn-Ti群において骨芽細胞分化マーカーであるtype I collagen、BMP2、 ALP、Runx2、OPNの有意なmRNA発現の増強を認めた。また、血管内皮増殖因子であるVEGF-AのmRNAは、骨芽細胞分化に伴い発現が上昇するとともに骨芽細胞分化を増強させることが報告されているが、Zn-Ti群においてVEGF-AのmRNA発現も上昇していることが確認された。③Smad1、 Smad4の発現に著明な差は認めなかったが、Zn-Ti群でp-Smad1/5/8の発現の増強を認めた。④培養10日目、21日目のアリザリンレッド染色を行ったサンプルに関してサンプルの溶解後に吸光度測定を行ったところ、Zn-Ti群で有意な基質石灰化の増強が確認された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度の研究結果で、Zn-Ti上で培養した歯髄幹細胞は、Controlと比較して有意なアルカリフォスファターゼ活性の増強を認め、real time PCRでもtype I collagen、BMP2、 ALP、Runx2、OPNの有意なmRNA発現の増強を認めた。また、Zn-Ti群においてVEGF-AのmRNA発現も上昇していることが確認し、p-Smad1/5/8の発現の増強を認め,さらに有意な基質石灰化の増強が確認された。
|
今後の研究の推進方策 |
平成31年度の研究実施計画 2. Zn-Tiフレームワーク周囲の骨形成能のスクリーニング:ラットの頭蓋骨に、トレフィンバーを用いて直径8mmのcritical size(自然に治癒しない大きさ)の骨欠損を形成する。この骨欠損に、細胞数を変化させた歯髄幹細胞を浸潤させたシート状のコラーゲンスポンジ(typeⅠコラーゲン)を充填し、先の実験で用いたZn-Tiフレームワークで被覆する。コントロールは、生理食塩液を浸潤させたコラーゲンスポンジをZn-Tiフレームワークで被覆する。移植後4、8、12週に試料を摘出し、骨の再生を組織学的に評価する。なお、上記の実験でコントロールと有意な差が検出できない場合には、移植細胞数等を調整し、再度検討を重ねる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
共同研究者との実験の進行状況を合わせるために支出を抑えており,次年度への繰り越しが生じた。
|