研究課題/領域番号 |
17K11898
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡安 麻里 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10610941)
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研究分担者 |
大庭 伸介 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (20466733)
菅家 康介 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90779810)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ES細胞 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
研究実績の概要 |
本研究は、マウスES細胞の骨芽細胞分化誘導系を用いた新規破骨細胞分化調節細胞集団の同定を行い、新たな破骨細胞分化・成熟の制御メカニズムの解明し、さらには、破骨細胞の分化を調節する新たな因子やメカニズムを探索することにより、最終的には破骨細胞指示細胞を軸にした骨リモデリングを生体内で調節することが可能かを検証することを目的としている。 初年度である平成29年度は、マウスES細胞の骨芽細胞分化誘導系を用いた破骨細胞分化・成熟を制御する新規細胞集団の同定を計画し進めることとした。 申請者らが開発したマウスES細胞の骨芽細胞分化誘導系において骨芽細胞期及び成熟骨芽細胞期は厳密には、骨格系前駆細胞期、前骨芽細胞期、骨芽細胞前駆細胞期、成熟骨芽細胞期に細分化される。この分化系の細胞がそれぞれ持つ特性の解析するため、定量的 PCR 法による遺伝子発現解析をおこなった。さらに、細胞免疫染色、フローサイトメトリーにて発現タンパクの定量を行った。現在、石灰化を確認する染色 (von Kossa染色)にて骨基質の石灰化も同様に評価をおこなっているが、いずれの解析も、回数を重ねて再現性の高いデータであることの確認を行う必要がある。 一方、次年度に行う予定である網羅的遺伝子解析による破骨細胞分化・成熟を制御する新規細胞集団の同定とin vitroにおける効果検証の予備実験として、M-CSF/RANKL処理により、骨髄細胞から破骨細胞を誘導し、破骨細胞形成と骨吸収活性は、TRAP染色と象牙片上の吸収窩の面積により各々評価し、遺伝子とタンパク質の発現は、RT-PCRとWestern blotting analysisで各々検討を重ねている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の研究実施計画については概ね順調に進んでいる。 本年度は申請者らが開発したマウスES細胞の骨芽細胞分化誘導系により、破骨細胞のカップリングファクターに関する知見を得られる可能性が見込まれるため。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、平成29年に引き続いて、細胞免疫染色、フローサイトメトリーにて発現タンパクの定量も行うとともに、石灰化を確認する染色 (von Kossa染色)にて骨基質の石灰化も同様に評価を行っていく予定である。さらに、各骨芽細胞分化段階に対してマイクロアレイ解析により遺伝子変化を網羅的に検索を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験動物(マウス)の購入および抗体、試薬等の研究用試薬・消耗品の購入、学術集会への情報収集のための参加等に使用する予定である。消耗品費の中で、抗体の金額が多いが、本研究では少なくとも15種類以上の抗体を必要とし抗体1種類の単価を平均5万円と想定している。研究室ではすでに多くの試薬を保有しているが、在庫を使用してしまった時には、市販品を購入せざるを得ない。また、本研究では分子生物学的実験も多く、そのための試薬代も想定している。
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