研究課題/領域番号 |
17K11906
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
花本 博 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (50397733)
|
研究分担者 |
丹羽 均 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30218250)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | デクスメデトミジン / 静脈内鎮静 / プロポフォール |
研究実績の概要 |
本研究計画時より新しい経皮血液ガスモニタが発売されたため、最新の経皮モニタを購入できた。 当初予定していたボランティアを対象としたデクスメデトミジンとプロポフォールを併用した比較研究では、予定被験者数が多くなるため、臨床研究保険等を含めると直接経費のみでの研究実施が困難と判断した。したがって、本年度は予備的な研究のみで可能な限り進めることを目的とした。 まず、購入した経皮モニタで経皮的酸素分圧(tcpO2)経皮的二酸化炭素分圧(tcpCO2)の測定を行い、安定したデータの取得が可能かどうかを検証した。tcpO2については測定値が安定するまでに30分程度を要し、実際の患者研究では待ち時間が多くなってしまうデメリットも考慮する必要があることが判明した。一方、tcpCO2については数分間で測定データが安定し、呼気ガスモニタとほぼ同等の高い信頼性が得られた。したがって、歯科治療時に鼻呼吸が安定せずに呼気ガスモニタのみではpCO2の測定が困難な場合でもtcpCO2を用いることによって安定したCO2の測定が可能であると判断した。患者研究におけるtcpO2の使用は、時間的な問題と測定制度の問題を考慮すると、困難な可能性が高いと考えられた。 したがって、今後の患者研究においては、呼吸抑制の判定を、tcpCO2、呼気ガスCO2および経皮的動脈血酸素飽和度を主として測定し、tcpO2は参考値として研究を進めることを考えている。 また、デクスメデトミジンとプロポフォールを併用した臨床使用を開始し、初期負荷時間等の検討を行っている。診療時間の短縮のために、デクスメデトミジンの初期負荷時間を10分ではなく5分で行う方向性が望ましいと考え、現在予備研究を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ボランティアでの研究に際し、臨床研究保険費用が高額になる可能性が高く、本課題の直接経費のみでの遂行が困難と考えられた。そのため、本年度は予備研究のみで対応し、次年度以降に患者研究を中心に行うことを計画した。
|
今後の研究の推進方策 |
予備研究結果を踏まえ、患者研究計画を作成する。倫理審査委員会での審査に時間を要する可能性があるため、慎重な患者研究計画を立案する。 また、診療時間の短縮のために、デクスメデトミジンの初期負荷時間を10分ではなく5分で行う方向性が望ましいと考え、現在予備研究を進めている。次年度の患者研究計画決定に向けて続けてデータを取得する予定である。本研究の初期計画時とは異なるが、臨床応用するには望ましい手段に近づけることが可能と考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
ボランティアでの研究に際し、臨床研究保険費用が高額になる可能性が高く、本課題の直接経費のみでの遂行が困難と考えられた。そのため、本年度は予備研究のみで対応し、次年度以降の患者研究を中心に行うことを計画した。患者研究での臨床研究保険増額に対応するため、本年度の使用額が少なくなった。
|