研究課題/領域番号 |
17K11908
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
土井 充 広島大学, 医歯薬保健学研究科(歯), 助教 (30412620)
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研究分担者 |
吉野 敦雄 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 特任助教 (90633727) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 舌痛症 |
研究実績の概要 |
舌痛症の治療法としては、抗うつ薬による治療と認知行動療法による治療はそれぞれエビデンスが高いが、その有効性は患者個人によって違い、病態には様々なタイプがあると考えられる。 本研究の目的は、抗うつ薬治療や認知行動療法による治癒過程における神経科学的修復機構を脳機能画像で評価し明確にすることである。これにより、舌痛症を病態分類し、それぞれに適切な治療法を立案することができる可能性が考えられる。また、特有の機能不全の脳領域が明らかになれば、今後は患者自身がfunctional-MRI画像を見ながら特定の部位を賦活化するニューロフィードバックの治療に発展していく可能性もあり、これは、臨床的に有意義なだけでなく、国際的にも舌痛症の治療としては先駆的である。 現在は、舌痛症患者の被験者に対して、まず、抗うつ薬よる治療を行い、治療前後のエンドポイントにおいて、functional-MRI撮像による脳機能画像評価と、破局的思考などの慢性疼痛に関係する各種の心理質問紙による心理評価を行い、データを収集し、さらに、治療効果が悪い患者においては、小グループの12週間1クールの認知行動療法を併用して施行し、治療前後のエンドポイントにおいて、同様の脳機能画像評価と心理評価を行い、データを蓄積しているところである。 被験者数がまだ少ないこともあり、脳機能的な評価の解析においての大きな変化は認めないが、痛みの主観的な評価や、心理質問紙における評価においては、各治療後のエンドポイントで改善傾向を認めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
撮像予定のMRIの移転などがあり、環境を整えるための時間が必要となり、研究開始時期が少し遅れたが、開始後はおおむね順調に、治療介入、データ集積が行えている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、院内外にも被験者となる舌痛症患者の紹介を依頼し、治療介入、データ集積に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
MRI撮像の環境を整えるために、研究開始時期が遅れたため、消耗品や撮像費に余りが出たので差額が生じた。MRI撮像費用や脳機能課題の消耗品の費用として使用していく予定である。
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