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2018 年度 実施状況報告書

口腔癌におけるANGPTL4の機能解析と治療標的としての評価

研究課題

研究課題/領域番号 17K11912
研究機関熊本大学

研究代表者

田中 拓也  熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (30631767)

研究分担者 尾木 秀直  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (10315426)
今村 隆寿  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (20176499)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード口腔癌 / 遠隔転移 / ANGPTL4
研究実績の概要

口腔扁平上皮癌を用いて高転移株を樹立し、その転移株を用いて癌細胞のNF-кBの恒常的活性化が、浸潤・転移亢進作用を促進し癌転移や生存率低下との相関 から予後マーカーとなる可能性を示した。申請者は、転移株のマイクロアレイで発現が上昇していたANGPTL4に着目し、口腔扁平上皮癌の患者予後との関係 を解析した。ANGPTL4は血管を経由して腫瘍細胞遊走を促進し、癌転移に関与していることが他の癌腫において言われており我々は、舌癌細胞の肺転移において、ANGPTL4 mRNAレベルの著明な上昇を確認した。ANGPTL4が舌癌の肺転移と関連しているか否かを判断するため、ANGPTL4癌細胞発現率と血漿中のANGPTL4濃度について、患者を転移例と非転移例に分けて比較し、それぞれの臨床パラメータと生存率に関して評価した。舌癌細胞でのANGPTL4発現を免疫組織化学染色で、ANGPTL4の「低発現」群と「高発現」群に患者を分類した。血漿中のANGPTL4濃度をELISA法により測定した。舌癌患者48例中15例(31%)がANGPTL4高発現癌細胞を示した。特に、ANGPTL4高発現癌細胞を示し血漿中のANGPTL2濃度が高い患者の割合は、肺転移のみられない患者と比較すると、肺転移患者において有意に高かった。5年生存率は、ANGPTL4低発現群に比べ、ANGPTL4高発現群では有意に低かった。ANGPTL4高発現癌細胞を示すことと血漿中のANGPTL2濃度が高いことは、どちらも舌癌患者の肺転移と予後不良と関連していた。よって、ANGPTL4の癌細胞における発現と血漿中濃度から、舌癌患者の肺転移および/または予後不良を確実に予測できる可能性がある。さらに、ANGPTL4の癌化促進作用は、舌癌においてANGPTL4を抑制する潜在的治療効果を示唆している。今回、論文にまとめ投稿予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度中に論文を投稿予定である。

今後の研究の推進方策

今回は、舌癌のみに検体をしぼって研究を行ったが他の口腔癌(上顎・下顎歯肉癌・頬粘膜癌)にも対象を広げていく事がよりANGPTL4の口腔癌の遠隔転移マーカーとしての有用性があがるとともに部位別に差が出ることも予想されるので良い考察ができるともにバイオマーカーとしての価値が上がることを期待している。

次年度使用額が生じた理由

予想していたより実験結果が早くでたため追加実験器材の購入をせずに済んだ。また、学会報告をしていないため今回、差額が生じたと考えます。
本年度は、学会報告、論文報告を行っていきたいと考えます。また、舌以外に検体も他の部位の検体を増やすことで追加実験を行う予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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