研究課題
基礎的研究では、 肋軟骨移植モデルラットの作製。肋軟骨を採集後,トリミングを行い、下肢組織移植部に下肢骨膜剥離後の骨表面あるいは骨切除により作製した組織移植部に肋軟骨を移植した。軟骨移植群に術後1,4,8,12週に移植部の評価をmicro-CT画像で行った。骨切除部に移植した軟骨組織は4週目から骨化傾向がみられた。12週目には骨との境界は不明瞭になった。臨床研究において、術後インプラント埋入に際し行われる骨造成法はベニアグラフト、吸収性膜によるGBR等がある。近年、チタンメッシュプレートの改良により操作性が向上し前歯部の骨造成が容易となった。今回、チタンメッシュプレートを用いて骨造成した症例に対し臨床的検討を行った。対象はチタンメッシュプレートを用いて骨造成を行った30例について検討を行った。これらの症例に対し,歯の欠損状態,採骨部位,骨造成量,インプラント埋入時期,チタンメッシュの露出,移植骨感染の有無について検討した。歯の欠損状態は1歯欠損が21例、2歯欠損が4例、3歯欠損が5例であった。採骨部位は,前鼻棘および梨状孔下縁+人工骨併用22例で最も多かった。術前後の移植部位の骨造成量を計測したところ,術前骨福は平均3.76㎜,骨造成後骨福は平均7.40㎜、平均造成量は3.64㎜であった。骨造成とインプラント同時埋入は18例、骨造成後異時的埋入は12例であった。チタンメッシュプレートが口腔内に露出した症例は5例で移植骨感染は1例であった。採骨部位は初期の症例では下顎枝部およびオトガイ部が見られたが,2016年以降ほぼ全例で前鼻棘および梨状孔下縁であった。前鼻棘および梨状孔下縁からの採骨は1術野で採骨と移植が可能なため有用な手法と思われた。移植骨感染が1例あり適応の検討が必要であった。
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