研究課題/領域番号 |
17K11923
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
芳澤 享子 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (60303137)
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研究分担者 |
各務 秀明 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (80242866)
小出 雅則 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (10367617)
小山 貴寛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30444178)
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80242436)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 口腔顎顔面再建外科学 / 再生医療 / 歯 / 骨 |
研究実績の概要 |
これまで私たちは歯根完成歯移植における移植歯喪失メカニズムについて検討し、その結果、歯根完成歯は歯根未完成歯や歯胚とは異なり、歯根膜再生は果たせるものの失われた歯周組織再生能力は有しておらず、歯の移植には受容部に十分な骨と歯肉が必要であることを示した。一方、骨再生には骨形成性蛋白であるBMPや幹細胞が用いられており、その方法は確立している。本研究では、失われた歯周組織と機能する歯の同時再生をめざす新たな歯の移植治療の開発を最終目的に、マウスの歯根未完成段階の臼歯を大腿筋内へ移植するモデルを開発し、これまでに確立された骨再生法を同時に応用することで、歯の成長と同時に骨再生を図ることを目的とした。根が5分の4完成する時期である3週齢マウス(雄)のM1、M2を抜去した。そして同時に同系マウスの長管骨の骨髄を採取し、密度勾配遠心法を用いて単核球分画(MNC)の分離を行った。M1、M2の移植の際に、β-TCP、βTCP+MNC、βTCP+ rhBMP-2、βTCP+MNC+rhBMP-2を加える4群を設定した。術後4週目に移植歯を周囲組織を含めて摘出し、マイクロCTによる画像解析を行った。さらにパラフィン切片を作成し組織学的検索を行った。その結果、移植歯の歯根膜および歯髄細胞は保たれ、根尖の成長が確認された。さらにrhBMP-2を加えた群では著明な骨再生を認め、MNC群では歯根周囲において歯槽骨の再生が認められた。今後骨再生量を定量的に解析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの歯根未完成歯移植モデルが完成したため、順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロCTによる画像の定量的解析方法を検討するとともに、組織学的および免疫組織化学的な検討に進む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
他施設機関の分担研究者の執行終了が遅れたためであるが、分担研究者の研究予定であった検体分析が検体試料の作製段階で不備が生じ、やり直しを余儀なくされたために、その解析結果を保存するための媒体の選択に時間がかかってしまったためである。そのため画像解析とデータ保存のための機器の購入が次年度に繰り越しになってしまった。 解析のための検体試料作製は現在すでに完了したため、次年度早い時期に画像解析とデータ保存のための機器を購入し、解析を行う予定である。
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