研究課題
1.ラット坐骨神経切除後、方向性コラーゲンチューブ(OCT)を移植し、それが感覚機能の回復に及ぼす影響を検討した。材料および方法:ラットの坐骨神経の10 mmの長さの部分を切除した後、OCTを神経欠損部位に配置した。感覚機能の回復は、術後3日ごとにFonfrayテストを使用して評価した。再生組織は、手術後2週間と4週間後に組織学的および超微細構造的に分析した。結果:OCTグループは、15日後に無傷グループの感覚機能レベルまで回復した。ヘマトキシリンおよびエオシン染色により、2週間後に近位断端と遠位断端の間の架橋が明らかになった。4週間後、Luxol Fast Blueおよび免疫組織学的染色により、再生組織の近位から遠位領域にミエリン鞘が存在することが明らかになり、S100B染色によりシュワン細胞の存在を確認した。ミエリン鞘は2週間後に中央領域の再生された軸索周囲に超微細構造的に観察されなかった。結論:これらの結果は、OCTが感覚機能の回復を促進することを示唆する。2.下歯槽神経再生における細胞移植治療の有効性を検討するために、ラットで下歯槽神経損傷モデルを作製し、シュワン細胞を移植した。細胞移植群は術後8日目に、非移植群に比べて有意に知覚が回復した。組織学的解析により、術後2週間後に、非移植群に比べ移植群の再生神経の直径が有意に太くなった。免疫組織学的解析より、術後1、2週において、非移植群に比べ移植群はS100B陽性シュワン細胞数が多く、術後2週においてMBP陽性ミエリン数が多いことがわかった。これらの結果より、下歯槽神経損傷モデルにおいてシュワン細胞移植は知覚回復に有効であることが示唆された。
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Regenerative therapy
巻: 14 ページ: 48-58
10.1016
Journal of Oral Science
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