研究課題/領域番号 |
17K11930
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
西村 寿晃 東北大学, 大学病院, 講師 (50367611)
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研究分担者 |
一文字 功 愛知医科大学, 医学部, 助教 (40753215) [辞退]
五十嵐 薫 東北大学, 歯学研究科, 教授 (70202851)
石井 武展 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80433978)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 免疫学 / γδT細胞 / 骨代謝 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 |
研究実績の概要 |
超高齢化社会を迎えた先進諸国において、いわゆる健康寿命を延ばすことは重要であり、多くの高齢者が抱えている骨代謝関連疾患に対する新たな予防や治療は 重要な課題の一つと言える。骨代謝異常関連疾患に対する治療の進歩によって、治療目標が単なる病態の改善のみならず、副作用への早期対応、脆弱性骨折の減少、治療費軽減、生命予後の向上などへ移行しており、治療手段の選択肢の多様化が求められている。本研究はγδT細胞が関与する骨代謝制御のメカニズムを解明し、新たな治療選択肢を検討する事を目的とした。 γδKO(γδT細胞受容体ノックアウト)マウスは、野生型(WT)マウスより大腿骨の骨密度が有意に低く、脾臓、末梢血、骨髄の各組織におけるγδT細胞の割合は他の組織に比べ骨髄において有意に高かった。また、歯科矯正的な歯の移動量、ビスホスホネート関連顎骨壊死における発生率においてγδKOマウス とWTマウスにおいて有意差が認められ、γδT細胞の関与が示唆される結果が得られた。破骨細胞分化制御に関わるγδT細胞認識抗原の同定において、破骨細胞由来の2種類のタンパク質を同定した。抗原を認識し活性化されたγδT細胞はIFN-γを産生し、TRAF6を分解することで、破骨細胞形成を抑制していた。さらにWTマウス由来のγδT細胞をγδKOマウスに移入したところ、大腿骨の骨密度が正常値近くにまで回復したが、IFN-γKOマウス由来のγδT細胞を移入したγδKOマウスでは骨密度の回復は見られなかった。
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