研究課題/領域番号 |
17K11931
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮下 俊郎 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50746980)
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研究分担者 |
山本 照子 東北大学, 歯学研究科, 名誉教授 (00127250)
井田 裕人 東北大学, 大学病院, 医員 (20746979)
清流 正弘 東北大学, 歯学研究科, 助教 (80510023)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 生体材料 / 歯科矯正用アンカースクリュー |
研究実績の概要 |
現在臨床応用されている生体埋め込み型医療機器としての金属製生材料はチタンおよびチタン合金のみであるが、その強度や弾性率は必ずしも理想的とは言い難い。人工関節においては骨との接合部に弛みを生ずること、デンタルインプラントにおいてはサイズが大きいため歯槽骨に埋入できないことや骨との弾性率の違いにより 弛みを生じることなどの問題がある。また、歯科矯正用アンカースクリューにおいては、埋入時に隣在歯根の損傷を生じる危険性、スクリュー 破折などの強度の問題、治療中の動揺や脱落、成熟した骨ではないと安定しないなど、医科および歯科領域において多くの問題を抱えている。金属製生体材料の大きさを可能な限り小さくでき、骨組織との オッセオインテグレーションの向上が可能となれば、医科、歯科領域における金属製生体材料がこれまでに有していた諸問題は大きく改善し、その有益性は計り知れない。そこで本研究では、チタン製歯科矯正用アンカースクリュー の有する種々の問題を解決しうる可能性を秘めたZr基系金属ガラス製歯科矯正用アンカースクリューの開発、さらに骨とZr基金属ガラスとの結合の分子メカニズムの解明を目指すこととした。そこでまず初めに4 種の金属ガラス、純チタンおよびチタン合金の表面性状の比較をするため、接触角を測定し 表面自由エネルギーの算出を行った。また、表面形態解析および表面組成分析を行った。接触角計測では、水およびdiiodometahane と各種の金属箔の接触角を測定し、表面自由エネルギーを算出することで、物質吸着の容易性を評価した 。表面形態解析では、三次元的構造の比較のため表面粗さ計測を行った。また、表面組成分析では、試料表層の構成元素を測定し、オッセオインテグレーションに関与する水酸基の有無ならびに 表面構成元素の詳細を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4種のZr基金属ガラス箔の接触角を計測し表面自由エネルギーを算出することで、物質吸着の容易性を評価表面形態に関する解析を行い、また表面形態解析では、三次元的構造の比較のため表面粗さ計測を行い、表面組成分析では、試料表層の構成元素を測定し、表面構成元素の詳細を確認できたため。
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今後の研究の推進方策 |
In vitroにおいて4種の Zr 基金属ガラスの骨分化能、抗炎症作用の評価を行う。ラット骨髄間葉系細胞を金属ガラス箔およびチタン箔上に播種し、骨髄間葉系細胞の骨分化能を比較検討する。続いてRAW264.7細胞を金属ガラス箔およびチタン箔上に播種した後にLPS を添加し、TNF-α, IL-6, MCP-1の遺伝子発現を解析する。さらにラット歯肉線維芽細胞を金属ガラス箔およびチタン箔上に播種し、Collagen typeI, Vimentinの遺伝子発現を解析し、 抗線維化能の有無を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた年度毎の研究実施計画を変更したため。
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