研究課題/領域番号 |
17K11932
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大久保 和美 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10396715)
|
研究分担者 |
岡安 麻里 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10610941)
大庭 伸介 長崎大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (20466733)
西條 英人 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80372390)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 歯科矯正学 |
研究実績の概要 |
2020年度は、前年度から引き続きゲノムワイド解析によるGli1下流遺伝子の同定解析を進めた。Gli1クロマチン免疫沈降sequencing(ChIP-seq)解析により得られたGli1-DNA結合プロファイルと、野生型およびGli1ノックアウト細胞を用いた遺伝子発現解析を統合し取得したGli1標的遺伝子群について、その作用機序と機能検証を検討した。作用機序検証のため、標的遺伝子近傍でGli1ChIP-seqピークが優位に高い領域に着目し、本領域をルシフェラーゼレポーターのpGL4.26[luc2/miniP]プラスミドにサブクローニングした。サンガーシークエンスにより配列を確認後、本プラスミドDNAを間葉系細胞株であるC3H10T1/2細胞にトランスフェクションした。ヘッジホッグシグナルの反応性を検証するため、ヘッジホッグシグナル活性化剤であるSAGを曝露した。その結果SAGによりクローニングした複数のゲノム領域においてSAG 1uMでレポータ活性の上昇が認められた。次に、候補遺伝子の骨芽細胞分化に対する機能検証を進めるため、各遺伝子に対するレトロウイルス発現ベクター(pMxベクター)あるいはsiRNAベクター(pLKOベクター)を作製した。ウイルスを作製後、間葉系細胞に感染させ、標的遺伝子の発現をRT-qPCRおよびWestern blottingで確認した。現在、本ウイルスを用いて間葉系細胞の分化・増殖に対する効果を検証している。 また、新型コロナウイルス感染拡大による大学活動制限に伴い一時停止していたin vivo実験の予備検討を再開した。Gli1+/-マウス・Hh作動薬投与マウスの実験的歯の移動モデルを用いた歯科矯正学的・分子生物学的評価のための検証をはじめた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大による大学活動制限にともない予定していた動物実験の遂行が不可能になったため
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、当初の計画に従って進める予定である
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大による大学活動制限にともない、予定していた動物実験の遂行が一時停止となり次年度使用額が生じることとなったが、in vivo実験の予備検討を再開し、Gli1+/-マウス・Hh作動薬投与マウスの実験的歯の移動モデルを用いた歯科矯正学的・分子生物学的評価のための検証を進める予定である。
|