研究課題/領域番号 |
17K11938
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
川合 暢彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 講師 (40437588)
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研究分担者 |
二川 健 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (20263824)
田中 栄二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学系), 教授 (40273693)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 骨格筋萎縮 / ユビキチン-プロテアソーム経路 / IGF-1シグナル / Cbl-b / 機能性ペプチド |
研究実績の概要 |
本研究はユビキチン-プロテアソーム系制御による廃用性筋萎縮の治療法開発を目的としている。これまで、ユビキチンリガーゼCbl-bによるIGF-1シグナルの減弱が廃用性筋萎縮の原因であることを見出し、筋萎縮抑制を目的としてCbl-bを競合阻害する抗ユビキチン化ペプチドを作製した。本Cbl-b阻害ペプチドの投与実験により個体レベルでの筋萎縮抑制効果を検討し、本ペプチドによる廃用性筋萎縮に対する新規治療法の確立を目指す。初年度は、抗ユビキチン化ペプチドによるIGF-1シグナル伝達阻害の改善効果と投与条件の検討のため、萎縮条件下での筋細胞に本ペプチドを添加し生化学的解析を行うことを目的とし以下の結果を得た。 マウス筋芽細胞由来C2C12細胞を分化誘導培地にて3日間培養した後、機能性ペプチドとアテロコラーゲンを培地に添加し、筋萎縮刺激として培地にDexamethasoneを添加した。Dexamethasoneの添加により筋管細胞は萎縮したもののペプチドの添加により萎縮が抑制されていた。その後、細胞を回収しCbl-bおよびIRS-1の蛋白質変動、AKTの細胞内修飾をウエスタンブロット法により検討したところ、Dexamethasone添加により萎縮した筋管ではCbl-bの発現が増加し、IRS-1の減少とAKTのリン酸化の減少を認めたが、ペプチドの添加によりこれらが抑制された。 これまでの結果をもとに、次年度は実験動物に本ペプチドを投与し、抗ユビキチン化ペプチド全身投与法の確立を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目標は筋管細胞を用いて萎縮刺激に対する萎縮抑制のための機能性ペプチドの添加条件を明らかにすることである。抗萎縮効果をもたらすのに有効なアテロコラーゲンとペプチドの比率を決定できたため、本目標は達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、7週齢のC57BL/6野生型雄性マウスを使用し、ペプチドにFITCを付与したアテロコラーゲン複合体の投与実験を行う。投与24、48および72時間後に前頚骨筋を摘出し蛍光顕微鏡により筋肉中の抗ユビキチン化ペプチドを検索し、適切なペプチド投与量および投与間隔を決定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の目標は達成できたため、執行する必要がなかった。繰越金は次年度の物品費として抗体などの試薬の購入に使用する予定である。
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