研究課題/領域番号 |
17K11943
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佛坂 斉祉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (90199513)
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研究分担者 |
森田 幸子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (00631574)
坂井 詠子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10176612)
根本 孝幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (90164665)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 歯根吸収 / 矯正治療 / ラット / 歯の移動 / 12/15LOX |
研究実績の概要 |
ラットの上顎第1臼歯-前歯間に矯正装置(クローズドコイルスプリング)を装着し、上顎第1臼歯を近心に牽引した。12/15-LOXの阻害剤を0日と7日に投与して、矯正装置装着後14日に、小動物用マイクロCT撮影を行い歯の動きや周囲骨の変化を観察した。その結果、コントロールにおいて歯の移動量は0.25±0.11mmであったが、12/15-LOX阻害剤投与群では0.33±.013mmであった。有意差は認めなかったが(p>0.05)、矯正力による歯の移動は促進される傾向がみられた。 また、走査型顕微鏡―歯根(上顎第1臼歯の近心根と遠心根)を摘出し、、軟組織を次亜塩素酸ナトリウムで除去後に、走査型電子顕微鏡(SEM)にて歯根吸収面積を、走査型レーザー顕微鏡(SLM)にて歯根吸収深さを測定し、歯根吸収体積を算出した。その結果、コントロールで6.2±1.8x10(6)μm(3)であったのに対し、12/15-LOX阻害剤投与群では5.7±2.3x10(6)μm(3)であった。両群の間に有意差を認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ラットに矯正装置を装着する実験系は従来から行っており、特に問題なかった。12/15-LOXの阻害剤を投与することは初めての試みであったが、腹腔内投与で特に支障はなかった。また実験動物の生存に特に影響することはなかった。マイクロCT撮像も歯根標本作製も特に問題なく進行している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は周囲歯槽骨の骨形態計測を行い、12/15LOXの影響を結論づける予定である。方法については実績があり、特に問題なく進行できると思われる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度末に購入予定であった物品費(実験動物と染色用試薬)が次年度になったためであるが、研究計画の進行には支障がないものである。
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