睡眠時ブラキシズムは、長年対症療法のみが行われ、未だ根本療法がないのが現状である。そこで、これまで我々が解明してきた、胃食道逆流が睡眠時ブラキシズムの重要な関連因子であることに着目し、睡眠時ブラキシズム患者に対して胃食道逆流の治療薬であるプロトンポンプ阻害剤や、新たに新規開発されたカリウムイオン競合型アシッドブロッカーを投与し、睡眠時ブラキシズムへの治療効果を検証し、睡眠時ブラキシズムの根本療法を開発することを目的とした。被験者の公募を行う前に、研究室内の実験室を整備し、睡眠検査室として就寝時に睡眠検査ができるようにした。また、内視鏡検査を用いた上部消化管の精査や診断には消化器内科医との連携が必須であるため、研究協力科としての体制を整え、検査時のスムーズな連携を可能にした。その後、睡眠時ブラキシズムの自覚がある者を一般集団から公募し、問診、質問紙調査および口腔内所見等からブラキシズムが疑われる者に対して、携帯型ポリグラフ(Polymate Ⅱ)を用いて最短2日間の睡眠ポリグラフ検査を行い、研究用診断基準に基づいて睡眠時ブラキシズム患者(成人)を選定した。また、被験者の募集および選定を継続して行うのと同時に、連携している消化器内科医の指導のもと、胃食道逆流の従来の治療薬であるプロトンポンプ阻害剤や新規開発されたカリウムイオン競合型アシッドブロッカーを睡眠時ブラキシズム患者へ投与し、睡眠時ブラキシズムへの治療効果について検証した。
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