研究課題/領域番号 |
17K11946
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大賀 泰彦 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (40780002)
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研究分担者 |
八木 孝和 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 講師 (10346166)
永山 邦宏 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (60583458)
宮脇 正一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (80295807)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ブラキシズム / 顎関節症 / 咬筋筋活動 |
研究実績の概要 |
本研究は、咀嚼筋障害の根本療法を開発することを目的に、咀嚼筋障害を呈する患者の上部消化管疾患(胃食道逆流症、機能性ディスペプシア)の関連性を調べ、消化管運動促進薬と胃酸分泌抑制剤による治療が咀嚼筋障害に与える影響を比較・検証し、咀嚼筋障害に対する新たな治療法の開発に繋げることを目指すものである。これに関連し、4つの研究を行っている。①咀嚼筋障害と機能性ディスペプシアの関連性の検討:公募により集まった者のうち機能性ディスペプシアと診断された者に対し、睡眠ポリグラフ検査を行ったところ、睡眠時ブラキシズム(咀嚼筋障害の危険因子)の研究用診断基準を満たす咬筋筋活動が認められ、機能性ディスペプシアと睡眠時ブラキシズムの関連性が示唆された。②食道内酸刺激と精神的ストレスが咬筋筋活動に与える影響の検討:対照群と比較して、食道内酸刺激群および食道内酸刺激+精神ストレス負荷群の咬筋筋活動量が有意増加したことから、食道内酸刺激と精神ストレスが覚醒時ブラキシズム(咀嚼筋障害の危険因子)と関連することが示唆された。③食道知覚過敏(内臓が化学的刺激、機械的刺激、温度刺激などに対して敏感になっている状態)を伴う上部消化管疾患と咀嚼筋障害の関連性の検討:上部消化管症状に関する質問票、DC/TMD(顎関節症の診断基準)による顎関節の評価により胃食道逆流(食道知覚過敏を伴うことが多い)と顎関節症の関連が認められた。現在、被検者の食道に希塩酸を滴下し(胃食道逆流を想定)、その時の咬筋と側頭筋の筋活動を調査している。④覚醒時ブラキシズムの自覚症状と咬筋活動および顎関節・咀嚼筋疼痛との関連の検討:覚醒時ブラキシズムの自覚症状がある者は覚醒時の咬筋活動を有意に認め、顎関節・咀嚼筋疼痛との関連が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、咀嚼筋障害、睡眠時ブラキシズム、食道知覚過敏、上部消化管疾患との関連性を明らかにするためにそれぞれの自覚症状のある者や健康な者を一般公募により募集しているが、想定以上に被験者が少なく、必要な被験者数を確保できていない。
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今後の研究の推進方策 |
現在、睡眠時ブラキシズムと機能性ディスペプシアとの関連性を明らかにするためにそれぞれの自覚症状のある者を一般公募により募集しているが被験者が少ないため、機能性ディスペプシアではなく罹患率が高い胃食道逆流症の被験者を募集するとともに、連携する他科にも被験者の紹介を依頼し必要な被験者数を確保する。同時に、既に必要な検査を終えた被験者のデータ解析を進める。また、健康な者や、咀嚼筋障害以外の顎関節症患者も対象に含めるなどして対象を広げている。
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次年度使用額が生じた理由 |
被験者が少なく謝金が生じなかったため。現在、被験者の対象を変更し研究を進めており、今後、謝金を含めた研究費の支出が増加してくると考えられるので、それらに次年度使用額を当てる予定である。
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