研究課題/領域番号 |
17K11952
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
福井 忠雄 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (50293212)
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研究分担者 |
堀 一浩 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70379080)
齋藤 功 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90205633)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 舌圧センサシート / 顎顔面筋活動 / 同時測定 |
研究実績の概要 |
我々は嚥下運動に着目し、①顎顔面筋活動と舌圧の同時測定装置の開発を行う ②顎変形症例(特に骨格性開咬症)の嚥下運動時の顎顔面筋活動と舌圧の同時測定・解析を行い。嚥下運動の特徴を明らかにし、舌運動や顎顔面筋活動と顎顔面形態との関連性を明らかとすることを目的として、昨年度、嚥下時舌圧発現様相および顔面関連筋活動の同時記録装置の開発と正常咬合者の測定・解析を行った。嚥下時舌圧発現様相および顔面関連筋活動の同時記録装置の開発においては、舌圧センサシートおよび顎顔面関連筋の筋活動を統合するために、両測定データーをPowerLabを用いて統合を行った。 正常咬合者の嚥下時舌圧発現様相および顔面関連筋活動の同時記録ではオトガイ筋・口輪筋の活動がやや先行して開始し、それに続いて咬筋・舌骨上筋群がほぼ同時に活動開始したのちに舌骨下筋群が活動を開始した。この一連の活動の中で咬筋・舌骨上筋群の活動開始からわずかに遅れて舌圧の発現が認められ、その後舌骨上筋群の筋活動停止とほぼ同時に舌圧発現も消失が観測された例が数例認められ、正常咬合者の特徴の一つと考えられる。上記5筋のうちもっとも最初に活動を開始し、5筋のうち最後に活動を停止する時間間隔は平均約1.3秒であり、舌圧発現時間は平均約0.9秒であった。5筋の筋活動の最終停止時刻と舌圧発現消失時刻はほぼ同時であった。開咬群では歯列前方部位での閉鎖を舌または口唇の閉鎖によって行われている可能性が高く、オトガイ筋や口輪筋の活動時間が短いのも正常咬合者の特徴に一つであると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
舌圧センサシートを用いた舌圧測定と顎顔面関連筋群の筋電図の同時測定システムの開発は順調に行われ、現在正常咬合者の症例の集積および骨格性開咬群の測定を開始した段階であり、当初の予定通りに研究は遂行できていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
まず対照群として、個性正常咬合者の嚥下運動時の舌圧センサシートを用いた舌圧測定と顎顔面関連筋群の筋電図の同時測定を行い、症例数を集積する。それと並行して骨格性開咬症例の術前・術後・保定終了時の同時測定を行い、特徴の抽出を行う(横断的研究)。その後同一症例の術前・術後・保定終了時の同時測定を行い、変化様相の観察・分析を行う(縦断的研究)。 開咬群については初診時、保定開始、保定終了時に採得された資料から顎顔面形態および咬合状態の記録・分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画通りの進捗状況であるが、次年度の購入予定であった消耗品(舌圧センサシート)をまとめて購入することにより、より安価で購入することが可能であるため平成29年度に前倒しして購入を行なったため次年度使用額が生じた。 当初より購入予定であった消耗品(舌圧センサシート)を前倒しして購入し、計画的に使用しているために当初の研究計画から変更はない。
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