研究課題/領域番号 |
17K11956
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
澤味 規 新潟大学, 医歯学総合研究科, 研究員 (90710442)
|
研究分担者 |
佐藤 正宏 鹿児島大学, 総合科学域総合研究学系, 教授 (30287099)
齊藤 一誠 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90404540)
野口 洋文 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50378733)
齊藤 陽子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30404487)
村上 智哉 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90791517)
稲田 絵美 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (30448568)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | Naive Stem Cell / SSEA-1 / Humann / Epiblast Stem Cells / HDDPC |
研究実績の概要 |
Stage-specific embryonic antigen 1(SSEA-1)は、ルイスX炭水化物構造物として定義され、マウス胚、癌細胞、マウス胚性幹細胞(ESC)、マウスおよびヒト生殖細胞で発現し、ヒトESC /人工多能性幹細胞(iPSC)では発現していないことが知られている抗原エピトープ(CD15抗原とも呼ばれる)である。SSEA-1は、α1,3-fucosyltransferase IX gene(FUT9)によって産生され、遺伝子ターゲティングにより破壊されたFUT9遺伝子座を有するF9 ECCは、それらの細胞表面でSSEA-1発現の喪失を示すことが報告されている。マウスESCは多能性幹細胞であり、Naive Stem Cells (NSCs)として知られ、形態的にドーム状を呈したコロニーを形成する。対照的に、形態的には平坦なコロニーを形成するヒトESC / iPSCは、NSCよりもわずかに分化したEpiblast Stem Cell(EpiSC)であると以前から考えられていたが、最近それが実証された。そこで本研究において、いくつかのリプログラミング関連薬物を用い、ヒトEpiSCをNSCと同等の細胞に転換することにより、SSEA-1がこれらのNSC様EpiSCにおいて発現しているのではないかと考えた。我々は、SSEA-1抗体を用いた細胞免疫細胞化学染色において、形質転換したNSC様EpiSCのエピトープの発現増加を示した。また、RT-PCR分析においてREX-1(ZFP42)などの典型的な幹細胞特異的転写物と同様にFUT9転写物の発現が増加していることを示した。さらに、NSCとEpiSCの核の大きさを比較したところ、NSCの核が有意に小さいことを明らかにした。これらの結果は、ヒトNSCの特性を明らかにするとともに、SSEA-1がヒトNSCに対する優れたマーカーとなり得ることを示唆した。
|