研究課題/領域番号 |
17K11965
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
岩崎 智憲 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10264433)
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研究分担者 |
山崎 要一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (30200645)
原田 みずえ 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20585103)
原 浩貴 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90274167)
大井 一浩 金沢大学, 附属病院, 講師 (90451450)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 小児OSAS / 睡眠呼吸モデル |
研究実績の概要 |
上気道通気障害によって生じる小児閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS) は、通気障害部位の的確な特定法がないため、原因部位に応じた治療が選択されず、良好な治療成績は得られていない。本研究は小児OSAS の原因部位の特定方法を確立するため、① 鼻腔流体シミュレーションの抵抗値が鼻腔通気度検査の抵抗値に近似する、生体に近い上気道モデルの構築法を確立した。②覚醒時咽頭気道モデルから睡眠中の無呼吸時の咽頭気道変形予測モデルの作製法に取りかかっており、中程度のOSASデータを得ることで確立するところまで来ている。③ 実際の治療部位および終夜睡眠ポリグラフ(PSG)の改善状況と、①と②の研究で得られた原因部位の結果を比較検討を行い、原因部位の特定方法としての有効背が得られつつある。 平成29年度は金沢大学において、歯列咬合異常の精査のために撮影された既存データの中から抽出された成人30 名のCTデータを用い、鼻腔通気度検査で得られた鼻腔抵抗値と覚醒時に撮影されたCTデータから、空気部分のCT値(-1000 から-300 HU)で医用画像構築ソフトINTAGE Volume Editor(CYBERNET 社製:既存物品)で構築された鼻腔モデルを熱流体解析ソフトPHOENICS(CHAM-JAPN 社製:既存物品)を用いて流体解析を行い、鼻腔流体シミュレーションでの鼻腔抵抗値を算出し、両者の値を比較検討した。 鼻腔モデルは空気部分の抽出するCT値の違いにより鼻腔の厚みが変わり、シミュレーションでの抵抗値も変わることが予想されるため、鼻腔流体シミュレーションでの抵抗値が鼻腔通気度検査の値に近似するまでCT値の調整を繰り返し行い、個々の症例に応じたCT値を確定する。各個に確定したCT値を用いることで、鼻腔から下咽頭までのより生体に近い覚醒時の上気道モデルを構築に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本申請課題に関連する研究論文が3編採択され、現在新たな論文を2編投稿中で、研究としては概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は更に共同研究を多くの大学(スタンフォード大学、カリフォルニア州立サンフランシスコ校、北海道大学、金沢大学、新潟大学、川崎医科大学、鹿児島大学医学部麻酔科)と進めていくことでさらなる進展を期待できると考える
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次年度使用額が生じた理由 |
研究自体は順調に進んだが、研究対象者が十分に獲得できず、その結果、解析に係るソフトウエア、ワークステーションの購入を控えることとなった。今後、対象者を確保し、ソフトウエアおよびワークステーションを購入し、解析を本格化したい。
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