研究課題/領域番号 |
17K11971
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
高橋 摩理 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (20445597)
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研究分担者 |
弘中 祥司 昭和大学, 歯学部, 教授 (20333619)
内海 明美 昭和大学, 歯学部, 講師 (40365713)
冨田 かをり 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (80338532)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 発達障害 |
研究実績の概要 |
スクリーニング用質問紙を用いた発達障害児への食支援方法の確立するにあたり、平成29年度は、摂食嚥下に関する質問票、摂食嚥下機能評価用紙の作成を行った。 質問表の内容は、飲み込みに関する項目(ゲップが多い、食事中水分をよく飲む、など)、取り込みに関する項目(かじり取りが出来ない、詰め込む など)、処理に関する項目(あまり噛まない、口に食べ物が残るなど)、口唇閉鎖に関する項目(よだれが気になる、普段口が開いている、など)、意欲に関する項目(時間がかかる、ムラがある、など)17項目を選択した。摂食嚥下機能評価用紙は、対象が保育園児と発達障害を有する小児であり、自分で食べている小児が多いと考えられることから、手づかみ食べや食具操作の評価項目を取り入れたものを作成した。 平成29年度は、保育園児70名を対象に、保護者による質問票の記入、給食での摂食嚥下機能評価を行った。また、3歳児以上の保育園児を対象に、口腔機能の評価として口唇圧、舌圧の測定も行った。摂食嚥下機能評価においては、食具操作の未熟さが摂食機能に関係する様子が伺われた。質問票は年齢があがると改善する項目(あまり噛まない、詰め込む、など)と年齢に関係なく一定数あてはまる項目(時間がかかる、水分をよく飲む、など)があり、質問項目として妥当であったと考えられた。口腔機能の評価として行った口唇圧、舌圧は年齢との相関がみられ、また、口唇圧の低い小児は舌圧も低い傾向が認められた。 また、こども医療センター摂食外来を受診している小児を対象に摂食嚥下機能に影響を与える要因について分析した結果、低出生体重の影響が強いことが明らかになった。低出生体重児には発達障害の割合が高いことが報告されており、発達障害に対する食支援が重要であることが確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は発達障害児への食支援方法を検討し確立することである。 質問票、摂食嚥下機能評価用紙の作成を行い、保育園児を対象に調査を行った。質問票、評価用紙を実際に使用し、内容に大きな問題がないと思われたが、質問票と摂食嚥下機能の関連、質問票と口腔機能評価結果(口唇圧、舌圧)との関連、摂食嚥下機能評価結果と口腔機能評価結果との関連についての検討を行うところまでは出来なかった。 やや遅れた理由として、質問票と摂食嚥下機能評価用紙の作成に時間がかかったこと、倫理委員会の承認を得るのが遅く、保育園児を対象と調査の開始が平成30年になってからであったことなどがあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
保育園児のデータを解析する。 発達障害児を対象に、保育園児と同様の調査を行う。質問票の記入について、保育園児では保護者を対象としたが、発達障害児では、保護者と通園施設のスタッフ両者に記載してもらい、保護者から見た様子と療育スタッフから見た様子に乖離がないかどうか、摂食嚥下機能との関連性の検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 平成29年度は質問票、摂食嚥下機能評価用紙の作成、保育園児を対象とした調査が主となり、結果の分析はまだ行われていない。そのため、分析に必要な機器やソフトの購入を行わなかった為、物品費が少ない結果となった。また、調査は主に研究代表者が行ったため、謝金等が発生しなかった。 (使用計画)分析用の機器及びソフトの購入し分析を行い、結果を学会発表する。発達障害児の調査を行うに当たっての大勢を整えるため、学会での情報収集を行う。
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