研究課題/領域番号 |
17K11976
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
船山 ひろみ 鶴見大学, 歯学部, 助教 (00359530)
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研究分担者 |
脇田 亮 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (60376712)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 喘息 / 気管支平滑筋 / 血小板 |
研究実績の概要 |
気管支喘息は,歯科治療の際遭遇する最も多い疾患の一つであるが,その発症機序や発作の誘因などたくさんの報告があるものの不明な点が多い.近年,環境や食生活の変化に伴い,喘息患者は増え続けている.しかも,歯科疾患または歯科治療自体がその発症や発作誘因の原因となり得る可能性を大いに含んでいる. 本研究では,気管支喘息の発症と発作の誘因における血小板の役割について,気管支喘息マウスモデルを用いたin vivoでの血小板の動態およびその機序解明と,気管支平滑筋培養細胞(airway smooth muscle cells: ASMC)を用いた血小板と発作の誘因であるアレルゲン(菌体成分,ハウスダスト,金属イオン等)・ストレスなどを使用したin vitroでの検討を並行して行うことにより,より臨床に則した疾患の機序解明を目的とする. 本年度は、通法に従いOVAを用いた気管支喘息モデルマウスを作成し,気管支,肺,および末梢の血小板動態を明らかにする予定であったが,OVAを用いた気管支喘息モデルマウス作成には時間を要するため,多数のマウスを用いた実験計画を実行するのが難しいことが予想された.そのため,購入可能な疾患モデルマウスおよびモデルマウスの作成が簡便な方法を模索するのに時間がかかっている.気管支平滑筋を用いたin vitro 解析に関しては,気管支平滑筋収縮試験,細胞増殖試験,および遺伝子導入実験の準備はできており,気管支喘息モデルマウスで結果を踏まえて実施する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前述の通り,使用する気管支喘息モデルマウスの選定が難航している.気管支喘息モデルマウスにて,気管支,肺,および末梢の血小板動態を種々のアレルゲンを用いて種々の投与経路で行う事を想定しているため,多数のマウスを必要とする.喘息発作時のin vivoでの血小板の動態に関する研究はこれまで行われておらず,新しい発見が見込まれる.早急に気管支喘息モデルマウスの選定し,実験を開始する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
まずは,気管支喘息モデルマウスを作成し,対象および喘息モデルマウスにおける気管支,肺,および末梢の血小板動態を明らかにする.気管支および肺等の血小板の挙動は,セロトニン (5HT)を指標に解析する.喘息モデルマウスにネブライザーまたは種々の投与経路でアレルゲンを投与し,喘息発作を想定した環境での血小板の動向も探る.
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次年度使用額が生じた理由 |
気管支喘息モデルマウスの選定に時間がかかり,研究の進行が遅延してしまった.そのため今年度行う事ができなかったマウスモデルでのin vivo実験と気管支平滑筋細胞を用いたin vitroの実験を行うため,次年度使用額が生じた.主にマウス購入および飼育費、気管支平滑筋細胞の購入に使用する予定である.
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