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2019 年度 実施状況報告書

気管支喘息の発症機序と発作誘因における血小板の役割について

研究課題

研究課題/領域番号 17K11976
研究機関鶴見大学

研究代表者

船山 ひろみ  鶴見大学, 歯学部, 助教 (00359530)

研究分担者 脇田 亮  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (60376712)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード喘息 / 気管支平滑筋 / 血小板
研究実績の概要

リンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis: LAM)は妊娠可能な女性に発症することが多い病気で、散発性または結節性硬化症に関連して発症する。異常な平滑筋様細胞(LAM細胞)が、肺・リンパ節・腎臓などで増殖するのが特徴で、咳、痰、血痰、喘息様の喘鳴などの症状を発症し、臨床的には進行性肺嚢胞化、反復性の肺気腫、胸水貯留が認められ, 多くの症例では進行性に呼吸不全となる。気管支喘息の際の気管支平滑筋細胞への血小板の影響を探る手がかりとして、LAM細胞における異常な平滑筋様細胞の増殖のメカニズムについて、血小板との関連を検討した。
LAM細胞とヒト気管支平滑筋初代細胞に血小板由来成長因子(Platelet Derived Growth Factors: PDGF)を用いた細胞増殖試験を行った。細胞増殖の評価についてはBrdUの取り込み: Cell Proliferation ELISA, BrdU (chemiluminescent) (Roche)を用いた。LAM細胞の増殖スピードが異常に速く、ヒト気管支平滑筋初代細胞との比較が困難であった。LAM細胞は、PDGFおよびLysophosphatidic acid(LPA)で細胞増加を認めたが、 Neurokinin-1(NK1) 受容体作動薬のSM-SubPを併用しても以前報告したような細胞の増殖抑制は認められなかった。
LAM細胞の異常な細胞増殖のメカニズムを明らかにするため、腫瘍抑制因子として同定され、細胞増殖抑制に深く関与するPTENをターゲットとしてWestern blotを行ったところ、LAM細胞はヒト気管支平滑筋初代細胞より低いPTENフォスファターゼ活性を認め、細胞増殖抑制の制御異常の可能性を示す結果を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

LAM細胞を用いた実験を行った際に、LAM細胞そのものの細胞増殖のスピードが異常に早く、ヒト気管支平滑筋初代細胞と比較することに困難が生じた。種々の細胞濃度および検査法を検討するのに多くの時間を費やしてしまったため、研究の進行が遅れてしまった。

今後の研究の推進方策

ヒト気管支平滑筋以外にもLAM細胞やヒト気道上皮を用いて,気管支平滑筋の細胞増殖および細胞収縮に関するさらなる研究、特に細胞内シグナリング機構を中心に検討する予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由)試薬注文時に極力価格の低廉な製品を選択するよう節約を心がけたたことと、細胞毎の増殖スピードの調整に時間がかかり他の実験系に取りかかることが出来なかったため次年度使用額が発生してしまった。
(使用計画)ヒト初代培養細胞、消耗品や抗体の購入と共に、解析費用や人件費、また成果発表や論文作成に必要な経費として使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] Basic Studies on the Mechanism, Prevention, and Treatment of Osteonecrosis of the Jaw Induced by Bisphosphonates2020

    • 著者名/発表者名
      Endo Yasuo、Funayama Hiromi、Yamaguchi Kouji、Monma Yuko、Yu Zhiqian、Deng Xue、Oizumi Takefumi、Shikama Yosuke、Tanaka Yukinori、Okada Satoshi、Kim Siyoung、Kiyama Tomomi、Bando Kanan、Shima Kazuhiro、Suzuki Hikari、Takahashi Tetsu
    • 雑誌名

      YAKUGAKU ZASSHI

      巻: 140 ページ: 63~79

    • DOI

      10.1248/yakushi.19-00125

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Augmentation of Lipopolysaccharide-Induced Production of IL-1α and IL-1β in Mice Given Intravenous Zoledronate (a Nitrogen-Containing Bisphosphonate) and Its Prevention by Clodronate (a Non-nitrogen-containing Bisphosphonate).2019

    • 著者名/発表者名
      Suzuki H, Bando K, Tada H, Kiyama T, Oizumi T, Funayama H, Sugawara S, Takahashi T, Endo Y.
    • 雑誌名

      Biol Pharm Bull.

      巻: 42(2) ページ: 396-403

    • DOI

      10.1248/bpb.b18-00408

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Effects of Zoledronate on Local and Systemic Production of IL-1β, IL-18, and TNF-α in Mice and Augmentation by Lipopolysaccharide.2019

    • 著者名/発表者名
      Funayama H, Tashima I, Okada S, Ogawa T, Yagi H, Tada H, Wakita R, Asada Y, Endo Y.
    • 雑誌名

      Biol Pharm Bull.

      巻: 42(6) ページ: 929-936

    • DOI

      10.1248/bpb.b18-00923

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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