研究課題
研究期間の最終年度である本年度は、これまでの実験で得られたデータのとりまとめ、解析を行い、結果の報告を行った。計画では、特殊な骨補填材を使用した歯周組織再生法の開発を行うことを目的としていた。過去の研究で得られた、内径300μmのβ-TCPを原料とした骨補填材を3Dプリンタを使用してデザイン、作成することに関しては残念ながら現状としては叶わなかった。調査の結果、同材料を原料として作成する場合、原材料、装置から新規に作製を行わねばならず費用は高額となり、今回の予算では施行が難しかった。そのため、代替として今回の実験では比較的安価に入手できるFDM方式の汎用3Dプリンタを用いて同形状の再現を行うことを試行した。同方式の材料のうちPLAは生分解性高分子であり、将来的に生体内への応用も可能となる可能性があり使用した。しかしながら内径300μmの中空状の形状を維持したまま作成することは難しかった。パイロットスタディーとして歯科用CTのDICOMデータを用いて局所的な顎骨、歯牙模型を作成することができた。これらは汎用ソフトを使用して作成することができ、今後費用を抑えた研究開発ができる可能性が示唆された。今回は当初予定していた通りには検討を行うことはできなかったが、試行錯誤を行う途中にて新たな発見も得られた。とくに代替材料の検討を行う中で、新規の荷電β-TCP骨移植材の開発を行うことができ、骨形成について良好な結果が得られたことを論文発表することができた。また、これまでに得られた結果について取りまとめを行うことができ、トンネルβ-TCPについては顎骨内の長期経過観察においては、良好な骨形成、骨への置換吸収が起こることがわかり、報告した。また、現在使用されている骨補填剤について歯周炎の再発について比較検討を行い、β-TCPの良好な挙動を確認することができたという結果について発表を行った。
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