研究課題/領域番号 |
17K11988
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
長谷川 梢 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00404492)
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研究分担者 |
橋口 千琴 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (10596860)
中村 利明 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (60381183)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歯周病 / 妊娠性糖尿病 / 歯周病原細菌 / インスリン抵抗性 / 胎盤 |
研究実績の概要 |
本研究は、歯周病と妊娠性糖尿病との関連を明らかにするために、1.妊婦を被験者とした歯周病と妊娠性糖尿病の関連の調査、2.胎盤でのインスリン抵抗性の亢進への歯周病原細菌の関与に関する解析を臨床サンプル、in vitro, in vivo研究での実施、3.妊娠性糖尿病妊婦への歯周治療介入の効果、を検討することとしている。 本年度は、1.を中心に研究を実施した。被験者は15 名の正常妊娠妊婦,14 名の切迫早産で糖代謝異常の妊婦(TPL/糖代謝異常), 16 名の切迫早産で糖代謝正常の妊婦(TPL/糖代謝正常)とした. 全ての妊婦にプロービングポケット深さやクリニカルアタッチメントレベルを含む歯周組織検査を実施した. 被験者から採取した唾液,歯肉縁下プラーク,および絨毛膜組織におけるP. gingivalis,F. nucleatum,P. intermedia,A. actinomycetemcomitans,T. denticola, T. forsythiaの検出はPCR 法で行った.その結果、歯周組織検査結果と口腔内サンプルからの歯周病原細菌の検出率は,TPL/糖代謝異常とTPL/糖代謝正常の間に有意差は認められなかった. 絨毛膜組織ではTPL/糖代謝正常はF. nucleatumとP. gingivalis が検出されたのに対し,TPL/糖代謝異常はF. nucleatum,P. intermedia,T. forsythiaが検出された. 正常妊娠妊婦の絨毛膜組織はいずれの歯周病原細菌も検出されなかった.これらの結果より、歯周病が切迫早産妊婦の糖代謝異常のリスク因子となることを示すことができなかった. しかしながら, 絨毛膜に存在するF. nucleatum,P. intermedia,T. forsythia が糖代謝異常と関連する可能性が示唆された. 今後は、胎盤でのインスリン抵抗性の亢進への歯周病原細菌の関与に関する解析を臨床サンプル、in vitro, in vivo研究での実施を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年は、妊婦における歯周病と妊娠性糖尿病の関連生の調査に関して順調に研究を進めることができた。しかしながら、臨床サンプル, In vitro, In vivo研究は予備実験の段階であるため、やや遅れていると思われた。
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今後の研究の推進方策 |
臨床サンプルの解析を進め、予備実験を行っていたin vitro、in vivo研究を行っていく。大学院生の先生を研究協力者に加えて研究を遂行することで、当初の研究計画をよりスピーディーに進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年で予定していた、臨床サンプルを用いた分析、In vitro, in vivo研究が予備実験段階であり、予定より遅れたため。
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