研究課題/領域番号 |
17K11988
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
長谷川 梢 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00404492)
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研究分担者 |
橋口 千琴 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (10596860)
中村 利明 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (60381183)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 妊娠性糖尿病 / 歯周病 / 糖代謝異常 / 歯周病原細菌 |
研究実績の概要 |
本研究は、歯周病と妊娠性糖尿病との関連を明らかにするために、1.妊婦を被験者とした歯周病と妊娠性糖尿病の関連の調査、2.胎盤でのインスリン抵抗性の亢進への歯周病原細菌の関与に関する解析を臨床サンプル、in vitro, in vivo研究での実施、3.妊娠性糖尿病妊婦への歯周治療介入の効果、を行うこととしている。前年度は1を中心に実施したため、本園度は2のIn vitro研究を中心に実施した。胎盤由来細胞であるBewo細胞を用い、刺激因子としてFusobacterium nucleatum LPS(FnLPS)とインスリンを用いた。BeWo細胞のIL-6、IL-8、TNF-a、IL-1bの遺伝子発現をreal timePCR法にて解析を行った。また、インスリンレセプターであるIRSとそのリン酸化、AKTとそのリン酸化をウエスタンブロット法にて解析した。その結果、FnLPS刺激によりIL-6とIL-8の遺伝子発現はコントロールと比較し1.4倍、2.2倍上昇した。また、インスリンを添加すると引き起こされるIRSとAKTのリン酸化は、FnLPSの刺激により濃度依存的に減少した。このことにより、FnLPSにより胎盤由来細胞であるBewo細胞にて炎症性物質が誘導されること、さらにはFnLPS刺激により胎盤由来細胞であるBewo細胞のインスリン抵抗性が引き起こされる事が示された。このことは、歯周病原細菌であるFnが胎盤のインスリン抵抗性に関与することにより、歯周病が妊娠性糖尿病におけるインスリン抵抗性に影響する可能性が示唆できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、 In vitro研究を中心に実施したがBeWo細胞を用いて行い、抗体の濃度や刺激時間の設定を含め他分析を行ったlしかしながら、他の胎盤由来細胞であるJEG3や胎盤から分離培養するプライマリーの細胞を用いた分析までいたらなかったため、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後もin vitro、in vivo研究を行っていく。大学院生の先生を研究協力者に加えて研究を遂行することで、当初の 研究計画をよりスピーディーに進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた in vivo研究が予備実験段階であり、予定より遅れたため次年度使用額が生じた。次年度使用額は、次年度のIn vivo研究の動物購入と解析に用いる計画である。
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