研究実績の概要 |
昨年度までに、hPDLMSC-HUVEC 共培養スフェロイドではhPDLMSCスフェロイドと比較して、幹細胞性マーカーであるOCT4, NANOGのmRNA発現が上昇し、さらに骨分化条件で培養したhPDLMSC-HUVEC 共培養スフェロイドでは、早期に石灰化結節が形成され、骨関連遺伝子(ALP, BSP, RUNX2, COL1)の発現が増強することを明らかにした。 また、ラット歯周組織欠損モデルにhPDLMSC-HUVEC 共培養スフェロイドを移植し、3次元マイクロCTおよび組織切片(ヘマトキシリン・エオジン染色およびアザン染色)で解析を行った。hPDLMSC-HUVEC 共培養スフェロイド移植群では、単層培養hPDLMSC移植群に比べて、骨充填率、BV/TVが有意に上昇していた。組織切片においても、hPDLMSC-HUVEC 共培養スフェロイド移植群の歯槽骨再生は、単層培養hPDLMSC移植群に比べて有意に増強されており、hPDLMSC-HUVEC 共培養スフェロイド移植群では、hPDLMSCスフェロイド移植群や単層培養群と比べて有意に新生セメント質を形成したことを見出した。 昨年度、hPDLMSC-HUVEC 共培養スフェロイドでは、hPDLMSCスフェロイドと比較して、セメント質形成に関与するGLUT1の発現に影響を与えるVEGFのmRNA発現が有意に上昇していることを明らかにしたことを踏まえて、本年度では,培養上清のVEGFについてELISAで定量し、hPDLMSC-HUVEC 共培養スフェロイドではhPDLMSCスフェロイドと比較して有意に発現量が上昇していることを確認した。
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