研究課題/領域番号 |
17K11992
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
申 基てつ 明海大学, 歯学部, 教授 (40187555)
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研究分担者 |
辰巳 順一 朝日大学, 歯学部, 教授 (60227105)
林 丈一朗 明海大学, 歯学部, 教授 (50337507)
大塚 秀春 明海大学, 歯学部, 助教 (10271230)
鈴木 允文 明海大学, 歯学部, 助教 (60638518)
林 鋼兵 明海大学, 歯学部, 助教 (90777880)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インプラント周囲疾患 / 歯周病患者 / プロービング時の出血 / 角化粘膜幅 / 粘膜可動性 / プロービング深さ / インプラント周囲溝 |
研究実績の概要 |
歯周治療における口腔機能回復治療の選択肢のひとつとして,インプラント治療はかかせないものとなりつつあるが,近年,インプラント治療を受けた患者の約20%,埋入されたインプラントの約10%がインプラント治療後の合併症であるインプラント周囲炎に罹患していると報告されている.プロービング時の出血(BOP)は,インプラント周囲粘膜に炎症が生じていることを意味し,インプラント周囲疾患の診断において,重要な臨床的指標とされている.そのBOPに影響を及ぼす因子,およびBOPとインプラント周囲の各種臨床パラメータとの関連性を明らかにすることである. BOPと有意な関連性が認められたのは,患者レベルでは,インプラントの埋入本数,インプラントレベルでは,観察期間,改良型プラークインデックス,排膿,および粘膜可動性,検査部位レベルでは,プロービング深さおよび検査か所(隣接面)であった. また,検査部位レベルにおける角化粘膜幅,BOPおよびPDとの関連性については,頬側中央部の角化粘膜幅が0㎜の場合,BOP陽性率が15.8%と最も高く,最も低いのは角化粘膜幅が1㎜のインプラントであった.さらに,PDが3mm未満と3mm以上の部位に分けて,角化粘膜の有無とBOP陽性率について分析した結果,PDが3mm以上の部位で角化粘膜幅が1mm以上存在する場合のBOP陽性率は13.6%であったのに対して角化粘膜が欠如する場合は30.8%と有意に高かった. これまでに行った研究から,BOPに影響を及ぼす因子は,プラークコントロールが不良であること,インプラント周囲粘膜に可動性があること,およびインプラント周囲溝が大きいことがBOPのリスク因子であることが示唆された. インプラント周囲溝が大きい部位では,角化粘膜が存在しないことによりインプラント周囲疾患発症のリスクが増大することが示唆された.
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