研究課題/領域番号 |
17K12003
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鷲尾 純平 東北大学, 歯学研究科, 講師 (20400260)
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研究分担者 |
高橋 信博 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60183852)
佐藤 拓一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10303132)
石黒 和子 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (00755829)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 硝酸還元活性 / 口腔バイオフィルム |
研究実績の概要 |
本年度は、口腔バイオフィルム細菌叢内の硝酸還元活性を持つ細菌について、まず検索を試みた。十分な説明の上、同意をいただいたボランティア5名程度より、口腔バイオフィルムを採取し、バイオフィルム中の硝酸還元活性をもつ細菌について検討を行った。 試料は歯面、舌表面から採取後、速やかに嫌気実験システムに搬入し、生理的食塩水にて懸濁後血液寒天培地にて培養した。培養後のコロニーの中から、硝酸還元活性を持つ細菌を簡便に見分ける手法について確立を試みた。現在確立途上であるため詳細は記載しないが、次年度に向けてさらに完成度を高めていく予定である。しかし、現段階までに確立している方法を用いた予備実験結果からではあるが、活性を持つ細菌の割合が、歯面、舌で異なること、個人差も大きいことが示唆されている。また、プラーク試料そのものを用いたプラーク全体としての硝酸還元活性測定も試みたが、こちらも個人差が大きいことが観察されている。この個人差と硝酸還元活性をもつ菌の割合との相関などについては、次年度以降、被験者数を増やしながら、様々な関連性について検討したいと考えている。 また、活性を持つ菌については、DNA抽出を行い、PCR増幅後、16s rRNAに基づくシークエンス解析を行い、菌種の特定などを行っているところである。Veillonella属などの細菌がこれまでも硝酸還元活性を持つものとして知られているが、現在までの結果では、実際にプラーク中からもそのような菌が検出されており、これらの菌の標準株を用いた基礎研究(各種条件下での硝酸還元活性の変動)もはじめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験に着手できていること、試行錯誤した部分はあるが、今のところ順調に進行しているため、この区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
30年度に確立した手法を用いて、さらに被験者数を増やしながら、個々のプラークの硝酸還元活性やプラークに含まれる硝酸還元細菌の割合や菌種に関するデータを蓄積し、臨床指標などとの関連などを含めさらなる解析を行っていく予定である。 また、菌種の同定後、当該菌種の標準株を用いた基礎実験についても進めていく。具体的には環境条件などによる還元活性への影響などを探っていく予定である。 これらの結果より、口腔内における硝酸還元活性の概要を明らかにしていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたよりも試薬消耗品関連の支出が少なかったため次年度使用額が生じた。次年度に引き続き実験を継続するためその費用に充てる予定である。
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