研究課題/領域番号 |
17K12004
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
荒川 真一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20302888)
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研究分担者 |
佐々木 好幸 東京医科歯科大学, その他の部局等, 准教授 (80235283)
大塚 紘未 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (70599266) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | オゾンウルトラファインバブル水 / OUFBW / Nrf2 / 抗酸化作用 / ホルミーシス効果 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、超高齢社会では易感染性宿主が増加し、菌血症、誤嚥性肺炎の予防が喫緊の問題であるが、有効な予防手段の一つとして安全な含嗽剤の利用が挙げられる。申請者は、新規の機能水であるオゾンナノバブル水(ONBW、オゾンウルトラファインバブル水:OUFBWと同義;2017.8にISOにより国際規格として承認)の基礎的性質として殺菌能と口腔組織に対する高い安全性、臨床的には歯周治療の補助的療法としての有効性を踏まえて、① 歯周治療にONBWを応用した際の菌血症予防効果を明らかにすることである。 当初の計画としては、菌血症の予防効果:超音波スケーリング時の注水に用いる溶液について①ONBW群、②グルコン酸クロルヘキシジン群、③水道水群の3群に分け、超音波スケーリング終了1分後、1週間の時点で、末梢血と歯肉縁下プラークの採取サンプリングを行い、各群間での細菌数の比較・検討を行う、との予定であった。 しかしながら、臨床研究については、採血を拒否する被験者が多く、規定の被験者数に達していない。そこで、OUFBWのヒト由来細胞に対する効果に関する基礎実験も実施することとした。 その結果、Vitro実験で、human primary periodontal ligament cellsに対するオゾンウルトラファインバブル水(OUFBW)の効果を検討した結果、活性酸素を発生させた結果、ホルミーシス効果が発現し、MAP kinase系の亢進、Nrf2の核内移行を誘導することが明らかになった。 さらには、RNA-sequence実験により、メタロチオネイン(Metallothionein:ラジカル消去作用がある)をコードするmRNAの亢進が誘導されることも明らかになった。これらの結果は、OUFBWの含嗽などにより、歯周組織を構成する重要な歯根膜細胞に対して抗酸化機能の亢進が誘導されることを意味し、OUFBWの殺菌作用以外に抗酸化機能の亢進が示唆され、OUFBWの臨床応用上、重要な知見と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床研究については、採血を拒否する被験者が多く、規定の被験者数に達していない。
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今後の研究の推進方策 |
規定の被験者数に達するよう努力する。 OUFBWの新たな作用を解明するため、vivo実験も検討する。
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