研究課題
本研究は、高齢者(肺癌症例)の不顕性誤嚥について、種々の上気道防御反射の観点と気管支液中の細菌叢との関連を探求し、ゆくゆくは、高齢者の不顕性誤嚥の詳細ならびに誤嚥性肺炎との関連について明らかにするものである。すなわち、口腔や咽頭部からの微生物混入を避けられるマイクロサンプリングプローブを用いて、気管支液を採取し、気管支液の微生物量の定量ならびに質的解析を行い、上気道防御反射の低下程度と比較する。本年度は、昨年度から引き続いて、試料中の細菌叢の質的・量的解析を行うための実験条件の検討および実験設備のセットアップを行った(すなわち、試料処理および培養に必須の、嫌気グローブボックスを導入し、実験条件の検討を行った)。より具体的には、試料を嫌気グローブボックスに搬入し、種々の試料処理を試し、最適な処理方法を探索した。その後、細菌(嫌気)培養をCDC血液寒天平板上で、7日間(~2週間程度)行い、細菌量(CFUs)を求めた。その後の、試料中の細菌構成の解析(質的解析)については、嫌気培養後の各コロニーを純培養(sub-culture、pure-culture)後、genomic DNAを抽出し、細菌特有の遺伝子領域である、16S ribosomal RNAをターゲットとしたPCR・シークエンス解析によって、各菌種の同定を行なった。現在、細菌叢の構成(の詳細)についても、並行して解析を進めている。
2: おおむね順調に進展している
実験・解析方法の検討が順調に進んでいるので。
今後も、実験・解析方法の検討および実験の遂行を行う予定である。
本年度は、実験・解析方法の検討を進め、嫌気グローブボックスのセットアップを行った。次年度も本年度と同様に、実験・解析を進める予定である。
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Biomedical Research
巻: 40 ページ: 29-36
10.2220/biomedres.40.29
J Health Sci Niigata Univ
巻: 16 ページ: 1-10