研究課題/領域番号 |
17K12009
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
吉岡 昌美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (90243708)
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研究分担者 |
長井 幸二郎 徳島大学, 病院, 講師 (40542048)
柳沢 志津子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (10350927)
白山 靖彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (40434542)
日野出 大輔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (70189801)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 糖尿病 / 保健指導 / 食習慣 / 口腔保健行動 |
研究実績の概要 |
2019度は糖尿病外来患者の前向きコホート研究および糖尿病患者の保健指導に有効な内容と手法を検討する研究を本格的に実施した。具体的には、前向きコホート研究の対象患者75名のうち62名について1年後の口腔診査、唾液検査及び食習慣や口腔保健に関するアンケート調査を実施することができた。また、保健指導の対象者28名のうち、21名に対して複数回の保健指導を実施することができた。さらに、初年度の診査データが揃った患者74名を対象に、糖尿病コントロールを表す臨床指標と歯科保健行動との関連性について統計学的解析を行った。その結果、夜寝る前の歯磨きが肥満や脂質コントロールと関連する可能性が示唆された。また、HbA1cが高値であることに、食事に時間をかけてよく噛むといった食行動が寄与している可能性が示唆された。寝る前の歯磨きやよく噛んで食べることは歯科保健指導の重要なコンテンツであり糖尿病コントロールにも有益であると考えられるため、今後さらに「歯磨き」などの健康習慣を切り口として歯科の立場から口腔と食習慣をリンクさせた保健指導の方法を開発すべく、研究を進めていく予定である。 一方、特定健診受診者における糖尿病関連指標と口腔状態の関連性についての研究においては、コホート調査を行える環境が整わず、コホート調査については断念せざるを得なくなった。したがって、これまでに集積したデータ解析を進め、研究成果を論文発表すべく、現在準備しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
糖尿病外来スタッフの全面的な協力のもと、糖尿病外来患者のコホート調査を比較的スムーズに進めることができた。また、同病院の歯科口腔外科の歯科医師はじめスタッフの全面的な協力体制の下、対象者への説明や口腔診査、アンケート調査、唾液検査などに診療室を使わせて頂くことができる上、電子カルテで臨床検査値も把握することができる。このように研究環境に恵まれているおかげで研究が順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は2年間の前向きコホート研究の最終年度となるため、昨年度(1年後)調査できた患者様に引き続き協力いただけるかどうかが、研究の成否を左右する。したがって、糖尿病外来の医師、歯科口腔外科の歯科医師とさらに綿密な連携を取っていきたい。また、これまでに集積した歯科保健指導で得られた質的データについて本格的な解析を進め、糖尿病患者の行動変容に有効な介入プログラムの開発につなげたいと考えている。さらに、経年的なデータ解析を行ってきた特定健診受診者における歯科保健状態と糖尿病性腎症関連指標の関連についても、総括を行い、現場に役立つような情報として還元したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は本研究3年目となったことから、おおよその研究環境が整った状況で高額の物品購入の必要がなかったため、結果的に研究経費が少し残った。 2020年度は最終年度であり、これまでの研究成果の集大成として国際雑誌に論文投稿したいと考えている。掲載料をはじめ、英文校正などに出費を見込んでいる。
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