研究課題/領域番号 |
17K12010
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
小川 尊明 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (50325338)
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研究分担者 |
徳田 雅明 香川大学, インターナショナルオフィス, 教授 (10163974)
三宅 実 香川大学, 医学部, 教授 (20239370)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 希少糖 / D-タガトース / D-プシコース / 口腔内常在性菌 / う蝕歯 / 歯周病 |
研究実績の概要 |
本研究課題ではin vitro とin vivo の両方向よりD-タガトースとD-プシコースを中心に希少糖の口腔内常在性菌に対する作用を解明し、歯牙う蝕や歯周疾患予防効果を検証した。 大量生産に成功した新規希少糖のうちD-タガトースをはじめとする『希少糖ガム』の作成に成功し、それらを用いた予備的臨床試験(in vivo)にて、ミュータンス連鎖球菌を抑制し、キシリトールよりも有効な「う蝕予防」効果を示唆した。しかし、その効果にはバラつきがあり、歯牙う蝕の原因菌であるミュータンス連鎖球菌以外の細菌にも有効である可能性が示された。 in vivoの結果よりin vitroの実験として、被験者より唾液を採取し、キシリトール、D-タガトース、D-プシコースを添加したBHIならびにMSB寒天培地に塗布、37℃にて培養、嫌気条件、好気条件の2条件で行った。両培地ともに、D-タガトース、D-プシコースを添加した培地で、嫌気条件、好気条件ともに、コントロールに比べ増殖が抑制された。また、キシリトールに比べても抑制を認めた。 BHI培地において最も抑制されたのは、D-タガトースを添加した培地(好気条件)で、最も増殖が抑制された。また、D-プシコースでもコントロールに比べ抑制は著明であった。 MSB培地においても、D-タガトース添加の培地(嫌気条件)とD-プシコース添加の培地で増殖が抑制された。 さらに抗歯周病作用を証明するためにPorphyromonas gingivalis、Agregatibacter actinomycetemcomitans、Fusobacterium nucleatumの3菌株の増殖を培養液の濁度を測定により評価した。D-タガトース、D-プシコースを添加した培地では、コントロールに比べ有意に増殖が抑制され、キシリトールと同等もしくはそれ以上の増殖抑制効果を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
D-タガトース、D-プシコースは、虫歯の原因菌であるS.mutansに対し増殖抑制効果を示しており、S.mutansの増殖を促進するスクロース(砂糖)に代わる糖とし て希少糖を利用することで、虫歯の発症を抑制できる可能性が示唆された。 3種の歯周病原菌に対しても、増殖抑制効果を示した。 D-タガトースとD-プシコースを中心に希少糖のう蝕および歯周病菌をはじめとする口腔内常在性菌に対する抑制効果が示唆された。 学会発表を行い、論文を作成中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、他の細菌種への効果、増殖抑制の機序を明らかにする必要がある。 希少糖の持つ血糖値上昇抑制、抗肥満作用に加えて、今後、う蝕や歯周病予防効果をさらに明らかにすることで、希少糖が生活習慣病を幅広く抑制できる糖として活用され、人々の健康増進に貢献することができると考える。 In vitro とin vivo の両方向よりD-タガトースとD-プシコースを中心に希少糖の口腔内常在性菌に対する作用を解明し、歯牙う蝕や歯周疾患を効果的に予防する検証をおこなう。 具体的には、口腔内常在性菌のメガシークエンスを行い大量の細菌種を一気に検索する。また、歯周病菌の発生する、ジンジパイン等のマーカーの検索を行う。 論文はJournal of Medicinal Foodに投稿を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
グループ内のスタッフで実験を行えたので人件費を抑えることができた。 追加実験や学会発表、論文作成を本年度に繰り越し、実験の消耗品、旅費や投稿料、査読料等に使用する予定である。
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