研究課題/領域番号 |
17K12011
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
田中 景子 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (40341432)
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研究分担者 |
三宅 吉博 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50330246)
古川 慎哉 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (60444733) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 齲蝕 / コホート研究 / 疫学研究 |
研究実績の概要 |
近年、本邦において小児齲蝕は、減少傾向にあるものの、他の先進国に比較すると、未だ高い水準にある。小児期の口腔内は、成長とともに、乳歯の脱落、永久歯の萌出が次々に起こり、口腔内環境は刻々と変化する。ライフステージ毎の齲蝕のリスク要因及び予防要因を探索する必要がある。今回、観察疫学研究の中で最もエビデンスレベルの高い前向きコホート研究である「九州・沖縄母子保健研究」のデータを活用して、小児齲蝕のリスク要因及び予防要因を探索する。 「九州・沖縄母子保健研究」には、妊娠中のベースライン調査に1757名の妊婦が参加した。出生時、4か月時、1歳時、2歳時、以後1年毎に8歳時まで、毎年追跡調査を実施した。各追跡調査が終了次第、データベースを作成し、それ以前のデータとリンケージしている。平成29年度は、8歳時追跡調査までの、データ入力を完了した。平成29年7月より、10歳時追跡調査を開始し、現在継続中である。10歳時追跡調査では、質問調査票により、受動喫煙、身体活動、体格、視力、発達等の情報を得ている。 「九州・沖縄母子保健研究」のデータを活用した、IL18遺伝子多型(rs1946518, rs187238)と母親の歯周疾患との関連の解析では、SNP rs1946518の CC 遺伝子型は、歯周病リスク低下と関連していた。また、予備解析として3才児横断研究のデータを活用して、小児齲蝕に関する解析を実施した。その結果、出生時高体重(4000g以上)は、齲蝕有症率と有意な正の関連を認めたが、出生時低体重、在胎週数、birthweight for gestational ageは齲蝕有症率と関連を認めなかった。また、両親の教育歴や家計の年収は齲蝕有症率との間に有意な負の関連を認めた。両親の職業と齲蝕有症率との間にも有意な関連があった。これらの知見を活かし、コホート研究のデータを解析していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、10歳時の追跡調査を開始した。8歳時追跡調査までのデータ入力を完了した。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、10歳時追跡調査を継続する。終了次第、データ入力を実施し、これまでのデータとリンケージする。平成30年7月より11歳時追跡調査を開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定より、研究費の節約ができ、次年度へ繰り越す。次年度使用額と合わせて、さらに研究を発展させる。
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