研究実績の概要 |
東日本大震災を契機に,医療クラウドに構築する個人識別を目的とした歯式データベースの必要性が言われている。しかし、診療情報のIT化による歯科情報の収集方法や大規模データベースに関する基礎的研究が行われていないため、本研究では大規模歯式データベースでの個人識別に不可欠な、(1) 大規模歯式データベースでの個人識別に用いる歯式マトリックスの定義と(2) 深層学習による個人識別のニューラルネットワーク作成の基礎的研究を目的としている。 2015年1月から初診時歯式情報(部位、歯番、歯面、治療痕)、1歯単位の治療履歴を歯科システムからデータウェアハウスへデータ蓄積を行い、初診時歯式情報は11,608名、再診を含む歯の状態情報は6,423,667件を蓄積している。2017年度ではデータウェアハウスから抽出した歯式情報はSQL Serverでデータベース化している。さらに、深層ニューラルネットワークの開発環境構築を行っている状況である。 本研究では口腔内情報をマトリックスデータで表現し、深層学習(ディープラーニング)による個人識別のニューラルネットワークを作成する。このために、開発環境で設定するフレームワークはマトリックス処理に有利なTensorFlow(Google社)を採用した。当初の計画ではGPU4台で構成する演算ユニット14,336個の並列処理による深層学習を計画していた。現在はGPU2台での並列処理による深層学習を評価しているが、予想していた深層学習の演算速度が得られていない状況である。
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