研究課題/領域番号 |
17K12020
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
傳田 祐也 東海大学, 医学部, 助教 (70734424)
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研究分担者 |
太田 嘉英 東海大学, 医学部, 教授 (60233152)
徳田 裕 東海大学, 医学部, 客員教授 (20163975)
鬼塚 真仁 東海大学, 医学部, 准教授 (80366012)
笹野 高嗣 東北大学, 歯学研究科, 名誉教授 (10125560)
庄司 憲明 東北大学, 大学病院, 講師 (70250800)
佐藤 しづ子 東北大学, 歯学研究科, 助教 (60225274)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 味覚障害 / 味覚受容体 / 化学療法 / 薬物療法 / 乳がん / 造血幹細胞移植 |
研究実績の概要 |
がん化学療法による味覚障害はQOLを損ねるとともに食欲不振による低栄養や体重減少を惹起し、治療効果を低下させている。しかし、がん化学療法による味覚障害に関する研究は少なく、ヒトの味覚受容体へ及ぼす影響については明らかになっていない。本研究では、がん化学療法が各味覚受容体に及ぼす影響について解明することを目的とした。 過去のがん化学療法による味覚障害の研究の多くは、多種類のがん腫やレジメンを同時に対象としており、単一疾患、単一レジメンによる味覚変化を検討したものは少ない。またその評価方法は自記式質問紙などのPatient Reported Outcomes(PRO)がほとんどであり、濾紙ディスク検査などの味覚検査を用いたもの(Clinician Reported Outcomes:CRO)は少ない。さらに、自記式質問紙などの結果が実際の味覚変化を反映しているかも検討されていない。 本研究では昨年度までに、乳がんに対してEC療法を受ける41人の患者が登録され、自記式質問紙(PRO)、濾紙ディスク検査(CRO、心理物理学的検査)により化学療法前、4日目、次クール直前の味覚認知閾値を4クール連続して評価した。その結果、EC療法による味覚障害は、多くの場合3週間以内に改善する傾向にあった。自記式質問用紙での味覚変化と味覚検査による変化は塩味において相関がみられたが、他の味覚(甘味、うま味、苦味、酸味)においてはみられなかった。また、味覚変化に影響を及ぼす臨床的因子の多変量解析も行った。これら臨床データの結果と、味覚受容体遺伝子発現の変化の対照を行っていく。 同様に造血幹細胞移植を受ける患者も本研究に登録されており、EC療法と同様の検討を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
乳がん患者の臨床データの解析は概ね終了した。味覚受容体遺伝子発現解析に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の成果を関連学会(乳癌学会、International Association for Dental Research)で発表する予定である。また、投稿準備中である。造血幹細胞移植患者に関して現在解析中である。味覚受容体遺伝子発現解析はデジタルPCRを用いての解析を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に予定症例数の解析が終了しなかったため、次年度にデジタルPCRに関わる消耗品等の費用が繰り越しになった。
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