研究課題
登録症例51例(平成29年末)のうち禁煙介入を行ったのは43例(84%)で、そのうち治療開始から禁煙介入を実施したのは39例であった。内訳は口腔粘膜疾患24例、歯周病12例、インプラントの3例で、治療途中から実施したのは歯周病の3例、インプラントの1例であった。禁煙介入でニコチンパッチを使用して禁煙を行った者は26例(67%)であった。被験者33例の3ヵ月後の平均禁煙継続率は61%、6ヵ月後は33%であった。禁煙継続率と患者属性の関係では、男性の継続率は35%で、女性は65%と男性よりも有意に高かった(p=0.011)。研究の進捗状況はほぼ毎月行われる9学会の代表者会議で検討を行っている。疾患改善率に関して歯周炎の改善率について登録時と介入後3か月の再評価時を比較した。歯周炎の疾病進行度は全顎6点法におけるプロービング時の出血(BOP)の陽性率、およびポケット深さ(PD)が4mm以上の部位の割合を用いて評価した。BOP陽性率は登録時に48.4%であったが38.4%に低下し、PD4mm以上の部位の割合も54.5%から35.8%へと低下し、登録患者の歯周病は介入により改善した。HPV-DNAの解析については、登録期間中に41検体が収集された。QIAamp DNA Micro Kit (Qiagen)を用い、固定した細胞からDNAを抽出した。全般的に採取細胞数が少なく、DNA収量も少ない症例が多かった。PCRと、電気泳動による約150 bpのバンドの確認を行ったところ、ごく薄いバンドのみられた症例もあったが、はっきりしたバンドが検出された症例はなかった。
3: やや遅れている
研究計画で算出したサンプルサイズに達していない。今後関連学会総会等を通じて症例登録の増加を推進していく。また、HPV-DNAのサンプル採取に問題のある試料が散見されるため検体採取の標準化をHP上で行っていく。
症例登録期間を平成30年12月末まで延長した。今後症例数をさらに増やしその他口腔疾患の改善率を明らかにしていく。また、平成30年度は関連学会で当該研究に関連したシンポジウムと外部評価者との研究会を計画している。
昨年は登録症例数が充分な数に達していなかったため、支出が少なかった。今年度はデータ管理、試料解析のための試薬、研究会開催のための招聘費用、外部協力機関との会議等で助成金使用を予定している。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
Translational Research in Oral Oncology
巻: 2 ページ: 1-8
10.1177/2057178X17710416
日口外誌
巻: 63 ページ: 478-489
10.5794/jjoms.63.478
http://www.jamfi.net/tisod//index.html