研究課題/領域番号 |
17K12034
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
高山 由希 (藤井由希) 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (20790322)
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研究分担者 |
三宅 達郎 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40200141)
片岡 宏介 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (50283792)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ヒト唾液タンパク / 歯周病細菌 / DNA粘膜アジュバント / 経鼻ワクチン / 唾液分泌型IgA抗体 / 初期付着阻害 |
研究実績の概要 |
昨年度までは、歯周病細菌Porphyromonas gingivalis(P. gingivalis)線毛と特異結合するヒト唾液タンパクプロリンリッチプロテイン上の結合部位相当のペプチドprp21を抗原とし、DNA粘膜アジュバントとともにマウスに経鼻投与することにより、抗原のみ投与の対照群と比較して有意な抗prp21分泌型IgA(SIgA)抗体誘導が認められた。さらに、唾液分泌に関連する免疫実効組織(顎下唾液腺、耳下腺、舌下腺、頸部リンパ節、顎下リンパ節)において、舌下腺におけるprp21特異的IgA抗体産生細胞数が最も多く認められた。 最終年度である本年度は、P. gingivalis線毛と特異結合するヒト唾液タンパクスタセリン上の結合部位に相当するペプチドstat23抗原を作製し、同アジュバントとともに経鼻投与した時、抗原のみ投与の対照群と比較して有意な抗stat23SIgA抗体誘導が認められた。そして、同ワクチンで誘導された抗stat23SIgA抗体を含むマウス唾液が、スタセリン被覆ハイドロキシアパタイトビーズとPg線毛との結合に対し、結合阻害能を有するかを検討したところ、最大41.6%の結合阻害が認められた。同様にprp21特異的SIgA抗体を含むマウス唾液のヒト全唾液被覆ハイドロキシアパタイトビーズ(sHAP)へのPg菌体付着阻害能の測定したところ、最大31.4%の結合阻害が認められた。さらに同アジュバントとキャリアタンパクに結合されたprp21およびstat23を共にマウスに経鼻同時投与後のマウス唾液では、sHAPへのPg菌体付着阻害能は、最大40.2%の結合阻害能が認められた。 本研究成果は、ヒト唾液タンパク由来のprp21抗原とstat23抗原に対する特異的SIgA抗体を応用した、歯周病感染予防のための能動免疫型経鼻ワクチン開発に繋がるものである。
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