研究課題/領域番号 |
17K12035
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
廣藤 卓雄 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10189897)
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研究分担者 |
米田 雅裕 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10253460)
森田 浩光 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (30380463)
谷口 奈央 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (60372885)
和田 尚久 九州大学, 大学病院, 助教 (60380466)
吉本 尚平 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (70780188)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 消化器癌 / 歯周病原菌 |
研究実績の概要 |
本研究は、歯周病と消化器癌(胃癌および大腸癌)との関連性を臨床・基礎研究の両面から解明することを目的としている。詳細としては、疫学調査や唾液を用いた歯周病原性細菌(歯周病原菌)の存在調査という臨床研究と併行して、摘出病理組織での歯周病原菌の存在調査、さらには、正常上皮および癌細胞を用いた癌発症や癌細胞増殖、さらには転移性獲得における歯周病原菌および内毒素の関与およびそのメカニズムの解明という基礎研究を遂行し、歯周病と消化器癌との関係の全貌を解明することを目指す。これまで、臨床研究(後向き疫学研究、唾液における歯周病原菌の検出についての前向き研究)を中心として研究を遂行し、また併行して基礎研究(ヒト正常大腸上皮細胞や大腸癌細胞を用いた分子生物学的研究)を行った。まず、臨床研究に関しては、本学及び九州大学の倫理審査の承認を得て、後ろ向き及び前向き研究を開始した。なお、前向き研究のデータ収集・解析状況としては、現在まで15例の検体採取・解析を行った。今後はさらに解析を進めていく予定である。また、基礎研究に関しては、高転移性ヒト大腸癌(腺癌)細胞であるSW-480のそれぞれにて、RT-PCRによりLPS受容体であるTLR2及びTLR4の存在を確認し、LPS刺激による各種大腸癌マーカー(CEA、NCC-ST-439、STN、Matriptase)の検出実験を開始した。今後、ヒト正常大腸上皮細胞であるFHC、ヒト大腸癌(腺癌)細胞であるHT-29についても同様の実験を行い、比較・解析していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、臨床研究(後向き疫学研究、唾液における歯周病原菌の検出についての前向き研究)を中心として研究を遂行し、また併行して基礎研究(ヒト正常大腸上皮細胞や大腸癌細胞を用いた分子生物学的研究)を行い、歯周病原菌自体(Fn, Pg等)もしくは歯周病原菌の内毒素であるLPSの影響をin vitroで実験・調査する予定としていた。まず、臨床研究に関しては、本学及び九州大学の倫理審査の承認を得て、後ろ向き及び前向き研究を開始した。なお、前向き研究のデータ収集としては、現在まで15例の検体採取・解析を行った。今後はさらに解析を進めていく予定である。一方、研究開始当初は糞便検査を行う予定であったが、解析を委託する予定の複数の企業から不可能との返事があり、また本研究の遂行において糞便検査は必須ではないことから除外することとした。また、基礎研究に関しては、高転移性ヒト大腸癌(腺癌)細胞であるSW-480のそれぞれにて、RT-PCRによりLPS受容体であるTLR2及びTLR4の存在を確認し、LPS刺激による各種大腸癌マーカー(CEA、NCC-ST-439、STN、Matriptase)の検出実験を開始した。今後、ヒト正常大腸上皮細胞であるFHC、ヒト大腸癌(腺癌)細胞であるHT-29についても同様の実験を行い、比較・解析していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、今年度と同様に臨床研究(後ろ向き疫学研究、唾液を用いた歯周病原菌の検出についての前向き研究)のデータ収集・解析、基礎研究(ヒト正常大腸上皮細胞や大腸癌細胞を用いた分子生物学的研究)を継続して行うとともに、新たに、病理組織切片における歯周病原菌の検出実験も開始する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、臨床研究における検体検査及び基礎研究における薬品・抗体等の購入が少なかったため、当初予定していた予算を下回る結果となった。次年度以降に引き続き予定数としている患者の検体検査及び基礎研究を行う予定であるため、来年度の予算とともに用いる予定である。
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