研究課題/領域番号 |
17K12039
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
服部 佳功 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40238035)
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研究分担者 |
田中 恭恵 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50613064)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 口腔テクスチャー感覚 / 食塊 / 嚥下 / 舌運動 |
研究実績の概要 |
口腔テクスチャー感覚の鋭敏さを評価する方法を、以下の通り、確立した。試料には寒天ゲル、キサンタンガム水溶液、微結晶セルロース水懸濁液を用いる。これら試料はそれぞれ水に対する成分の重量比が9段階に異なる系列を用意し、その最大濃度のものを基準試料、それ以外を試験試料とする。基準試料と試験試料のひとつからなる一組の試料を順不同に被験者に提示し、前後いずれの試料の成分濃度がより高いかを回答させる識別試験を行う。識別試験には折り返し4回の階段法を用い、識別可能な最小の濃度差を識別閾値として評価する。この方法で3種の試料についての識別閾値を求めたところ、それらの間に有意な相関を認めたことから、各試料の識別閾値の分布に基づいて識別閾値をスコア化し、3種の試料におけるスコアの合計をテクスチャーの鋭敏さの指標とする方法である。この方法や、この方法で求めたテクスチャー感覚の鋭敏さの特性について、国際学会(5th International Conference on Food Oral Processing、2018年8月、英国ノッティンダムにて開催)にて報告し、原著論文(Furukawa et al. Preliminary exploration for evaluating acuity of oral texture perception. J Texture Stud, 2019 Mar 13; 1-7. DOI:10.1111/jtxs.12400)に公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究分担者であった田中恭恵が、カナダ、ブリティッシュコロンビア大学に長期留学することとなり、研究の進捗に遅れをきたした。ただし、今後の研究課題の実施に際しては、研究代表者が指導する大学院生の協力が得られることから、研究目的の達成は可能である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究か台で開発した口腔テクスチャー感覚の鋭敏さの評価方法を用い、最終年度である平成31年度(令和元年度)には、口腔テクスチャー感覚の鋭敏さの相違が、試験食品の嚥下可否判断やその再現性に及ぼす影響を検討する。また口蓋床やオクルーザルスプリントを用いて付与する舌―口蓋間の接触状態の変化の影響をも、併せて検討する。なお今後の研究においては、著者らの別途の研究の成果に鑑み、試験食品を当初予定から変更し、水分量を変えて調製した速瀬s器マッシュポテトとする。この改変により、研究目的をそのままとしつつ、研究内容を大幅に簡素化できるため、これまでの研究進捗の遅れを十分に取り戻すことができると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の遅延により、本年度実施予定の研究の一部が実施できなかった。次年度に本年度実施できなかった計画を、一部変更を加えつつ実施するに伴い、残余の予算が執行される予定である。
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