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2018 年度 実施状況報告書

回復期リハビリテーション病院における歯科の役割についての検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K12040
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

若杉 葉子  東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (20516281)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード歯科治療 / 在宅医療 / 医科歯科連携
研究実績の概要

回復期退院後の在宅生活の中での変化と医科歯科連携のあり方を検討した。歯科は食のために介入することが多く、連携の必要性は認識されているが、実際には在宅ならではの難点として情報共有の難しさがある。当法人では、同じ法人内に医科と歯科があることから、顔の見える関係が構築できている、共通のカルテを利用できるというメリットがある。そのような環境で診療していく中で、在宅医療において歯科ができることを検討した。
方法:医科から歯科へ依頼のあった患者171名を前向きに検討した。
結果:171名の内訳は男性68名、女性103名、平均年齢歳84.7±8.5歳であった。主訴は口腔衛生管理45名、歯科治療25名、義歯関連52名、摂食嚥下障害59名であり、全体の32%を嚥下障害が占めた。診療した患者のうち、常食を食べていたものは91名、常食以外は60名、非経口摂取は20名であった。初診時の食形態により常食群と常食以外群に分けて比較すると、疾患のばらつきはほぼ同じであったが、常食以外群の方が高齢で、日常生活自立度が低く、栄養状態が悪かった。常食群では2年後に食形態が低下していたものは4名のみであり、2年間では食形態の変更がおきることは少なかった。常食を食べ続けられている患者は栄養状態のステイタスは変わらないことが多く、先に日常生活自立度が低下する傾向があった。常食以外群では21%が介入後に改善した。内訳は義歯に問題がある場合と、病院退院後に歯科介入が開始される場合があり、ともに介入後に食形態が改善した。歯科介入患者での2年間の肺炎での入院は5名(2.9%)であった。
考察:食べる楽しみを支えるというQOLの点、低栄養や肺炎を防ぐという予防医療の点の両者で歯科介入の必要性は高いと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

患者数は想定患者数に到達しているが、統計解析が遅れている。

今後の研究の推進方策

歯科介入のない患者を対照群として500名ほど抽出しているので、比較検討していく

次年度使用額が生じた理由

データの収集に謝金を要さなかったこと、またデータ解析がまだできておらず、学会発表が少ないことや論文にかかる費用がかかっていないことから、研究進行の遅延とともに研究費使用の遅れが生じている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 看護小規模多機能と在宅主治医と連携し、在宅看取りに関わった進行性核上性麻痺の一例2018

    • 著者名/発表者名
      若杉葉子、戸原玄
    • 学会等名
      第29回日本老年歯科医学会学術大会
  • [学会発表] Cough Reflex Testing2018

    • 著者名/発表者名
      Yoko Wakasugi
    • 学会等名
      26th Annual meeting Dysphagia Research Society
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 老年医学(上)ー基礎・臨床研究の動向ー 高齢者の在宅医療の実際2018

    • 著者名/発表者名
      若杉葉子
    • 総ページ数
      720
    • 出版者
      株式会社日本臨床社

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公開日: 2019-12-27  

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